テレ東田中瞳アナ「インパクトを残して帰る人たちが心底羨ましくて、恨めしかった」苦悩のとき転機となった“ある研修”とは?
テレビ東京アナウンサー・田中瞳の初のエッセイコーナー「瞳のまにまに」。 今回は豪華2篇だて。田中アナがエッセイを書くきっかけとなった“焦り”についてと、田中アナがどうしても苦手な“ある質問”についてです。 水ト麻美アナ直伝! 第一印象がUPする「絶対印象に残る自己紹介テクニック
私の知らないところで増殖する「私」
2019年4月1日、当時の菅義偉官房長官により新元号が発表されたそのとき、私はテレビ東京の入社式に出席していました。 平成から令和に移りゆくなかで私のアナウンサー人生は始まったのです。 そして現在は入社6年目の田中瞳です。 今の私が、何のために、どんな思いを書いて残すことに意味があるだろうかと思考を巡らせました。 思えばここ数年の間、私はかなり焦っているんです。普段は意識的にあまり考えないようにしていますが。 テレビ局のアナウンサーとして働くなかで、私の知らないところで「私」、つまりイメージとしての田中瞳が増殖し続けているように感じます。 今やテレビ以外でも自分が出演しているテレビ番組は見られますし、私自身もSNSなどを通して様々な発信をしているわけですから、客観的に見ればこれは当たり前のことなのかもしれません。 しかし、猛烈な速さで「私」が私の知らない人たちの中に宿っては芽生えて枝分かれしていくようなこの感覚が、少々恐ろしいのです。 それぞれの「私」は、その方のイメージですよね。結果、私と「私」たちは、かけ離れた人間になってしまいました。 それはたとえば、SNSのコメントや初めてお会いした方に言われる印象でわかります。 私はもはや、蔓延した無数の「私」の存在を訂正するためのツールとして、SNSを利用しているようにも思えてきました。 これは、別に誰が悪いという話ではありません。だから厄介ですね。ネットで検索すれば、真偽不明の「私」の情報は沢山存在すると思います。 でもこのエッセイは私が自分の言葉で書いたものですので、信用していただき、よかったら続けて読んでみてください。 それは増殖した「私」たちを濾過することにも繋がります。記事を開いていただいた貴重な皆さま、ご協力のほどよろしくお願いいたします。