Media Briefing[日本版]:🍪IABに反論するGoogleを我々が冷ややかに見てしまう理由🤔
「プライバシーに配慮した効果的なデジタル広告」が本当に実現するのかは微妙なところ
Googleの反論に対し、デジタル広告業界内から納得の声はあまり聞かれない。本当にユーザーのプライバシーに配慮した効果的なデジタル広告を実現できるのか、誰もが疑念を抱いているからだ。 たとえば、匿名の広告主や業界団体が連合でオープンウェブの可能性を模索する団体、Movement for an Open Web(MOW)はそもそもGoogleのプライバシー遵守に関する透明性と説明責任が欠如していると指摘する。同団体の代表であるジェームズ・ローズウェル氏は「Googleは各国の個人情報保護監督機関が提起した懸念に対し、その払拭に必要な透明性を提供できていない」とし、「IABテックラボが提案するような監査を行い、規制当局がその職務を効果的に遂行するのに必要な情報を提供すればよかった」と指摘している。 「効果」の面ではどうだろうか。匿名で米DIGIDAYの取材に答えたパブリッシャーの幹部は、「『トピックス(Topics)』はいまもブラックボックスのまま(中略)、『プロテクテッドオーディエンスAPI(Protected Audience API)』はGoogleをさらに強くするだけ、『Related Website Sets』は多くのチャネルやメディア資産を持つパブリッシャーには著しく不利」と語っている。 そして、英国の競争市場庁(CMA)をはじめとする規制当局からは、「サードパーティCookieの廃止によってGoogleが得るものとは何なのか」と問いかけられている。要するに、誰もが「最初からGoogleに有利な、オンライン上でのGoogleの支配力の強化につながるエコシステムが作られていないか」と考えているのだ。 関連する記事 「Googleは脱サードパーティCookieを掲げながら迷走中。行き詰まりを招いた2つの要因
編集部