静岡ブルーレヴズ開幕白星 ラグビーリーグワン1部 神戸を終盤逆転
ラグビーリーグワン1部は21日、ヤマハスタジアムなどで3試合を行い、昨季8位の静岡は同5位の神戸に15―13で逆転勝ちした。 静岡は前半2分にPGで先制されたが、4分に同じくPGで追い付いた。24分にはラインアウトモールから押し込まれて再びリードを許し、3―13で前半を折り返した。 後半に入り勢いを取り戻すと、24分には途中出場のヴァレンス・タファーテがトライを決めて5点差に追い上げた。終了間際には、途中出場のヴェティ・トゥポウのトライで同点。さらにFBサム・グリーンのゴールで勝ち越した。
守備で流れ引き寄せ、我慢比べ制す
静岡はこれまで屈してきた神戸をリーグワン移行後4年目で初めて撃破した。攻め込みながらトライを奪えなかった終了間際、スクラムから出た球を最後は途中出場のトゥポウがポール際に飛び込んで同点。FBグリーンが落ち着いてゴールを決めると、初の開幕戦勝利を祝う歓喜の輪が広がった。 冷たい雨が降る中、前半は球が手に付かずに反則を連発。攻撃も波に乗れずPGによる3点のみと低調だった。それでも就任2年目の藤井監督は「我慢比べの試合。最後の最後に勝てばいい」と終盤勝負に懸けていた。 流れを引き寄せたのは指揮官が注力してきた守備だ。劣勢の前半には何度も自陣に攻め込まれたが、あと一歩のところで踏ん張り、神戸に食らいついたのが大きかった。
後半に投入したベンチメンバーの躍動も光った。中でも存在感を放ったのがWTBタファーテだ。10点を追う後半21分から出場すると、球を受けた最初のプレーで中央から約50メートルを独走しトライ。ニュージーランド出身で大学から競技を始めたばかりの24歳は練習生からはい上がり今月、選手契約したばかり。「見た目よりは足が速いんだ」とおどけた。 新リーグ移行後、3年連続8位と低空飛行が続くが、開幕戦で大きなインパクトを残した。南アフリカ代表でも活躍するスミス主将は「最初のホームゲームで勝てたのはうれしい」。ロースコアの我慢比べを制し、これまでとはひと味違った静岡を印象づけた。