【毎日書評】有給休暇は権利です。メンタル不調で動けなくなる前に正しく休みリセットするコツ
定時で働けないなら、休む
会社で働くということは、働いた分、お金をもらっているわけです。 そして、就業規則には必ず始業・終業の時間、1日あたりの所定労働時間、週あたりの所定労働時間が定められています。決められた時間はしっかり働かなければいけないわけですから、もしも、その義務を満たせていないのであれば、体調を整えるために休むべきです。(200ページより) 義務を満たせていないと「これではダメだ」と自分を追い込みたくなるかもしれませんが、「満たせていないからこそ、体調を整えるべき」だという考え方。 なお、その際には「自分を整える」ことと「環境を変える」ことの両軸で整えていくことが大切だといいます。とくに適応障害の場合、働くなかで発症したということは、働く環境のなかになんらかのストレスがあるということを意味します。 その場合は、自分を整えてストレスに慣れるか、環境を整えてストレスを減らしながら慣れるかの2つしかない。著者はそう考えているそうです。 そもそも定時で働くことが体調的につらいという人は、すでにパフォーマンスが下がっているもの。しかし、下がった状態でそのまま働き続けることは、長い目で見れば誰にとってもよいことではありません。 当然のことながら本人もつらいでしょうし、会社も生産性が下がることとなり、ひいては社会のためにもならないからです。つまり、著者が以下のように主張するのは、そんな理由があるから。 体調不良があり定時で働くことがつらい、体調を理由にした欠勤が増えているといったときには、しっかり休んで100%の自分に戻ってから、その人がもっている能力を発揮してもらったほうが、自分も幸せですし、会社のため、社会のためにもなります。(201ページより) たしかにそのとおりではないでしょうか。もし体調不良のため定時で働くことが困難なら、まずは定時で働ける体調を取り戻すことを優先するべきなのです。 そして万全のパフォーマンスで会社に復帰することができるのであれば、それは間違いなく最良の方法。もちろん、社会に貢献することにもつながっていくはずです。(200ページより) 心身に不調を抱えながらも、つい働いてしまうというケースは珍しくありません。しかしそれよりも、少し休んでリフレッシュして元気を取り戻し、パフォーマンス高く働き続けるべき。そのほうが、本人に取っても企業にとってもプラスになるはずだからです。だからこそ本書を通じ、適切な休み方を知っておきたいところです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 中公新書ラクレ
印南敦史