独メルセデス・ベンツの米アラバマ工場、従業員が労組結成を否決
(ブルームバーグ): ドイツの高級車メーカー、メルセデス・ベンツグループの米アラバマ州工場の従業員は、労働組合結成の是非を問う採決を行い、反対多数で否決した。
全米労働関係委員会(NLRB)によると、同州バンスとウッドストックにあるメルセデス工場2カ所の従業員が、2642対2045で労組結成を否決した。投票権を持つ従業員は約5200人。今回の決定が追い風となって、他の自動車メーカーが労組結成の動きに抵抗を強める可能性がある。また組織拡大の目標を掲げている全米自動車労組(UAW)にとっては痛手となりそうだ。
3大自動車メーカー(ビッグスリー)に対する労使交渉で大きな成功を収めたUAWは、他の自動車メーカー14社で約15万人の労働者を組織化することを狙っている。この戦略には、労組が少なく、法律や政治家が労組に対して敵対的な南部の工場を同時に標的にすることも含まれていた。
先月には、フォルクスワーゲン(VW)の米工場で労組結成が決まった。だが、メルセデスは経営陣の抵抗がより強く、労組結成には至らなかったとみられる。
今回の否決により、トヨタ自動車のミズーリ州工場や、メルセデスの工場から数時間離れたアラバマ州モンゴメリーにある現代自動車の工場など、他の外資メーカーの拠点で労組結成の勢いを抑える可能性がある。UAWは今年に入り、これら各拠点で労働者の30%と契約したと明らかにしたが、それ以後はいずれの拠点でも過半数の支持に達したとは発表していない。
原題:Mercedes Workers in Alabama Reject Union in Pivotal Vote (4)(抜粋)
--取材協力:Ian Kullgren.
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Josh Eidelson