米雇用統計、ハリケーンとストにより一時的な影響-金融当局は軽視か
(ブルームバーグ): 1日発表の10月の米雇用統計は、ハリケーンやストによる一時的な打撃はあったものの、失業率は安定していることを示す見込みだ。
ブルームバーグがエコノミストを対象に行った調査では、10月の雇用者数は10万5000人増との予想(中央値)が示された。予想は1万人減から18万人増までとばらつきが大きかった。失業率は前月と変わらず4.1%が見込まれる。
10月の雇用統計の数字は11月6、7両日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での当局者の判断を複雑にするが、それでも9月の0.5ポイント利下げに続く0.25ポイント利下げが広く予想されている。
エンプロイ・アメリカのエグゼクティブディレクター、スカンダ・アマルナス氏は「連邦準備制度の当局者は、ハリケーン関連のマイナス要因を重視しようとはせず、給与の伸びが大幅に縮小した場合にのみ反応するだろう」と10月30日付のリポートで予想した。
雇用統計の注目すべき項目は以下の通り。
非農業部門雇用者数
10万5000人の増加はほぼ4年で最悪となるが、ハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」による一時的な打撃や、ボーイングでの数週間にわたるストを考慮して、弱い数字は想定内と見なされるだろう。
労働省労働統計局(BLS)は調査対象週に4万4000人の労働者が大規模なストに関与していたと推定している。
時給
多くのアナリストは、分母となる労働時間の減少により、ハリケーンが一時的に時給を押し上げる可能性があるとみている。
しかし、8月と9月は賃金が大幅に上昇したが、10月は伸びが鈍化するとエコノミストは予想している。ブルームバーグ調査での予想中央値では、平均時給の伸びは前月比で0.3%に減速し、前年同月比では4%にとどまると見込まれている。
原題:US Jobs Report to Show Temporary Hit From Hurricanes, Strikes(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Matthew Boesler