「1000円」を超えるラーメンが増えてきている気がします……。昔は「500円」で食べられた気がするのですが、なにか原因があるのでしょうか?
昭和や平成の頃なら1杯500円以下で提供されることも珍しくなかったラーメンも、最近では1000円を超えるものも多くなりました。 全国にはまだまだ安い価格で提供しているところもありますが、1杯1000円も珍しくなくなったラーメンの価格高騰に疑問を感じている人もいるでしょう。 ▼節約のために「カップラーメン」はNG? 栄養バランスと節約を両立させる方法とは? ここでは、なぜラーメンの価格が高騰しているのか、その理由を解説します。
ラーメンの価格を決める要因は?
一般的な飲食店の原価率は約30%といわれており、ラーメン店も例に漏れず30~35%程度の原価で商品を提供しているところが大半です。原価率とは、1杯のラーメンを作るために必要な材料費などの費用を指します。 例えば、1杯のラーメンを作るためにはスープ、麺、チャーシュー、メンマ、ネギなどの材料が必要です。仮に次のように費用を設定してみましょう。 ・スープ:100円 ・麺:60円 ・チャーシュー、メンマ、ネギ:60円 ラーメン1杯の材料費が220円とするならば、原価率約30%となる販売価格は733円です。「作る手間がかかっているとはいえ、220円の材料で作ったものを700円以上の価格で売るのは高すぎる」と感じる人もいるでしょうが、販売価格から材料費を差し引いた金額全てがもうけになるわけではありません。 上記の例についても、220円の材料で作ったものを733円で販売して得た差額は513円は丸々利益になるのではなく、さらにさまざまな費用を差し引いた残りが利益です。さまざまな費用とは、店舗で働くスタッフの給料(人件費)、建物や土地の賃借料やローン、水道光熱費や宣伝広告費などのお店を維持するうえで必要な費用を指します。 ラーメン1杯の価格には、材料費30%に加えて人件費などの費用が50~60%程度含まれており、実際の利益は10~20%程度しかありません。 つまり、220円の材料費で作れるラーメンを250円程度で販売していたのでは、お店を維持することは到底不可能です。まずは、ラーメンの価格は材料費だけでなく、お店を維持管理するために必要なさまざまな費用が上乗せされて決まることを理解しましょう。