離れて暮らす親の4割が特殊詐欺と思しき電話に出た経験あり「まだまだ自分ごと化していない人が一定数いる」と専門家 有効な対策を紹介
特殊詐欺への対策「方法が分からない」が4割
続いて、別居している親が特殊詐欺の被害にあわないよう対策をしている人に具体的な対策内容を尋ねた。最も多かった回答は「知らない番号からの電話は出ないようにしている」で、54.4%と半数を超えた。また、「家族との電話で合言葉を決めている」と回答した人はわずか9.9%と1割に満たない結果となった。 一方、何も対策をしていない人にその理由を尋ねたところ、1位は「どのような対策をすればよいかわからないから」(42.5%)となり、2位「今まで被害にあう危険を感じたことがないから」(30.2%)、3位「親が自分は大丈夫だと思っているから」(29.1%)が続く結果となった。
セコムIS研究所の研究員による対策紹介
今回の調査から、別居している親が特殊詐欺の被害にあう不安を感じつつ、何も対策をしていない、対策の方法がわからないといった人が少なくないことが判明した。セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰さんはこのアンケート結果を受け、以下のような対策を紹介している。 電話に出ない、話を聞かないことが有効 「電話中に同居の家族がいる場合は、不審な電話を受けたとしても話の流れで詐欺に気付ける可能性がありますが、親が一人暮らしの場合はより慎重な対応が求められます。対策としては、空き巣や強盗と同様に“家に入れさせない”ことが重要で、具体的には“電話に出ない”“話を聞かない”ことが有効です」 また、対策をしていない人の中には「今まで被害にあう危険を感じたことがない」「親が自分は大丈夫だと思っている」など、“自分ごと化”していない人が一定数いることも判明した。 自分も騙されるかもしれないという意識を持つ 「これから対策を講じるかたは、“自分も騙されるかもしれない”という意識を持つことが重要です。その上で、“家に入れさせない”ために、“知らない番号からの電話は出ない”よう親と話し合うほか、親への連絡や帰省の頻度を増やして変わったことがないか把握することで、被害にあわないよう備えていただきたいと思います」 特殊詐欺の手口は年々巧妙化しており、認知件数と被害額は増加傾向にある。今まで被害にあっていないのだからこれからも大丈夫だろう、などといった根拠のない思い込みは一旦捨て、一度しっかりと家族で対策について話し合うことをおすすめする。 【データ】 セコム 【調査概要】 調査期間:2024年10月4日(金)~10月7日(月)調査手法:インターネット調査調査対象:全国の30才以上、70才未満の男女560人調査機関:セコム調べ【実務委託先:楽天インサイト(2024年10月)】 ※セコムの発表したプレスリリース(2024年11月21日)を元に記事を作成。 図表/セコム株式会社提供 構成・文/秋山莉菜