実現遠いインクルーシブ教育…足りない教員、進まない少人数クラス「手厚いサポート得られない」。通常学級こそ改革必要
特別支援に加え、急増する不登校や深刻ないじめ、教員不足と多忙化-。教育現場が抱える課題は重い。誰も取り残されない学校とは。その在り方を問い直す時期が来ている。=おわり= ◇障害者権利条約とは 障害者の権利を守り、差別を禁止する。2006年に国連総会で採択され、08年に発効した。国連の障害者権利委員会は締約国から政策報告を受け、定期的に審査、勧告を行う。日本政府は第5次障害者基本計画(23~27年度)で「障害の有無によって分け隔てられることなく、可能な限り共に教育を受けられる仕組みの整備を進める」としつつ、特別支援学校や特別支援学級(支援級)を設ける方針は維持した。新たな対策として、全ての新規採用教員が10年目までに支援級などでの指導を複数年経験するとした。
南日本新聞 | 鹿児島
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