菅野智之のメジャー表明は「代理人のシナリオ通り」に動いただけでも…“不退転の決意”のウラに“原家”からの自立
スクープで米球界にPR
巨人の菅野智之投手(34)が10月5日、海外フリーエージェント(FA)権を行使した上で、来季からのMLB挑戦を目指す意向を電撃表明した。今季は15勝(3敗)を挙げ、最多勝と最高勝率の2冠に輝き、近年の不振から鮮やかに復活を印象づけた一方で、来季開幕は35歳という高年齢だけに、日米の球界関係者は驚きを持って受け止めた。そんな中でも、米大手マネジメント会社の代理人は「菅野の代理人のシナリオ通り。適切なタイミングで、菅野の希望を米球団に知らせただけのことですよ」と冷静に指摘した。 【写真】「エース菅野」復活を支えた名コーチ…選手を覚醒させる「魔改造」で有名
前日の4日深夜のこと。米スポーツ専門局ESPN(電子版)の名物記者、ジェフ・パッサン氏が情報筋の話として「今冬に菅野が海外FAにより、メジャーリーグにやって来る」と紹介した。このスクープは直ちに日米を駆け巡り、翌日には多くの報道陣がクライマックスシリーズ(CS)に備えた巨人の東京ドームでの全体練習に集まった。 自ら取材に応じることを申し出た菅野はCSを目前にし、自身の去就で騒がせたことに「チームは大事な時期。今回(報道で)出てしまったのは自分の意思ではないが、こういう大事な時期に申し訳ないなという気持ちも、もちろんある」と恐縮しつつも、2020年オフに断念したメジャー移籍への意思表示を鮮明にした。 「球団には自分の意向を伝えさせてもらって、やっぱり向こう(米国)でプレーするという気持ちでいる。20年に行けなかった時の、そういうのはずっと僕の中であったので、 そういう決断をしました」 菅野は既に、ムーキー・ベッツ内野手(ドジャース)と同じ代理人事務所「VCスポーツグループ」と契約を交わしている。前出の代理人の分析はこうだ。 「大リーグはレギュラーシーズンが終わったばかり。プレーオフに出場しない球団はストーブリーグに入っています。(選手と球団の交渉が本格化する)12月のウインターミーティングをピークに、FA市場に出てくる選手を洗い直す時期です。ここで菅野がメジャー希望を公にしていなければ、日本シリーズ終了後の11月までリストに挙がらず、交渉で出遅れてしまいます。特にメジャーの各球団は菅野をノーマークで、立ち後れることは回避したいと考えた代理人事務所が、懇意の記者にスクープを提供する代わりに、菅野がFA市場に出てくることを知らしめようとしたことは明らかです」