設楽原古戦場で鉄砲玉の研究
愛知県新城市の90歳小林さん
愛知県新城市八束穂区の住民有志による「おしゃべりサロン」が16日、八束穂公民館であった。地元に住む郷土史家小林芳春さん(90)が戦国時代の「設楽原の戦い」で使われたとされる鉄砲玉について講演した。 元新城市教育長で新城小学校長の小林さんは、設楽原をまもる会や新城市郷土研究会の代表を務めた。設楽原で見つかった鉄砲玉の研究を続けている。 1575年に織田・徳川連合軍と武田軍が戦った設楽原の戦いについて、小林さんは「火縄銃など鉄砲を採用した戦い。連合軍はうまく活用した」と説明し、1962年から2022年まで見つかった19個の鉄砲玉を解説。直径9~15㍉の大きさで、鉛の原産は日本産が多くタイ産、中国産も見られたという。「モデルガンの玉を探していた時や、山梨県から武田ゆかりの地巡りで訪れた人が見つけたケースがあった」と紹介した。 さらに「戦争があったのは約450年前。全国的に戦国時代の鉄砲玉の出土が少ない。あと3年は元気に研究を続けていきたい」と意気込みを語った。 サロンは八束穂区の住民向けに今年度から2カ月に1度開催。過去2回は談笑会だったが、今回は先人に学ぶとして企画し25人が参加した。【安藤聡】