久保建英が“5秒間”で演出「完璧なアシスト」 元日本代表が驚愕した瞬時の判断変更【見解】
【専門家の目|太田吉彰】 久保建英が1G1A…プレーの決断力に注目
スペイン1部レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英は現地時間11月28日、UEFAヨーロッパリーグ・リーグフェーズ第5節・アヤックス戦で1ゴール1アシストと躍動した。後半22分には、FWアンデル・バレネチェアが決めた先制点をアシスト。元日本代表で解説者の太田吉彰氏は「このアシストの何がスゴいって、直前にクロスで切り替えているところ」と分析した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部) 【実際の映像】5秒間の衝撃…久保建英がマークした「完璧なアシスト」の瞬間 ◇ ◇ ◇ 両チーム無得点で迎えた後半22分だった。右サイドでスルーパスに抜け出した久保。そのままエリア内に侵入すると、そのままゴール前まで突進。ファーサイドからFWミケル・オヤルサバルとバレネチェアが走り込んでくるのを確認すると、左足で速いクロスを供給。バレネチェアが押し込んでゴールネットを揺らした。 太田氏は「このプレーも難しいですね。「(シュートを)打つぞ、打つぞという状況で運んでいて、入ってきた選手が確実に見えていて、瞬時に打つ直前で判断を変えていると思います。だからこそキーパーも飛び込めないですし、コースも限定できない。出す直前にそっちはほぼほぼ(ゴールが)入りますねって判断してパスに切り替えていると思う。ここの決断力も本当にスゴい」と分析。久保がクロスを出す直前に判断を変えている、と読み解いた。 太田氏は、クロスを出す直前までは、シュートがファーストチョイスだったと推測する。「基本的にはシュートを自ら決めるという選択肢を持っていたと思います。ただ、相手の前に味方が入ってきてくれたのを見て、そこに出せば、ほぼ100%(ゴールが)入りますから、瞬時に切り替えたという形ですね。もう完璧なアシストです。決めてください、触るだけ、というパスですね。強さも、高さも、パスも完璧です。相手が確実に届かない位置に出してますから」と、“5秒間”のプレーの中に凝縮された久保の技術と判断力の高さを絶賛していた。 [プロフィール] 太田吉彰(おおた・よしあき)/1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。
FOOTBALL ZONE編集部