TED×Tohoku2014が大盛況 ネット配信は2000人が視聴
東北発のプレゼンテーションイベント『TEDxTohoku2014』が、10月12日に仙台市内で開催された。登壇者には、「千日回峰行」と「四無行」を万行(まんぎょう)した僧侶・塩沼亮潤氏や小惑星探査機「はやぶさ」の開発などに関わった吉田和哉氏ら10組。会場には約150人が集まり、東北発のアイディアを伝えた。 TEDはTED(Technology、 Entertainment、 Designの頭文字をとったもの)で、「Ideas Worth Spreading」のコンセプトのもと、多彩な登壇者によるプレゼンテーションイベントを開催。TEDxTohokuをはじめ、『TED×●●』はTEDからライセンスを受け、世界各地でローカルなイベントを開催している団体の総称。TEDxTohokuは年に1回、カンファレンスイベントを開催しており、今回のイベントが4回目となる。 僧侶・塩沼亮潤氏は、「1日48kmの険しい山道を千日間歩き続ける『千日回峰行』」と、「9日間の断食・断水・不眠・不臥の中、20万編の真言を唱え続ける『四無行』」を行った存命する唯一の存在で、1300年の歴史において2人目の僧侶となる。吉田和哉氏は、政府が国力をあげて取り組んだ宇宙開発の中で、民間組織HAKUTOのプロジェクトリーダーを務め、月面探査ロボットの開発を担当。宇宙開発の常識について、民間組織が挑んでいることをプレゼンテーションで語った。ほかにも、漁業から、流通革命を起こそうとしている福田久美子氏など、多彩なスピーカー・パフォーマーが登壇し、大いに盛り上がった。 TEDxTohokuの共同代表の亀井潤氏(東北大学大学院・修士2年)は、以前は(東北出身の人ですら)東北地方の魅力を聞いても、明確な魅力を語れる人は少ないと感じていました。しかし、震災をきっかけにこの地域の価値(それは例えば豊かな自然と共生する暮らし方、日本の他の部分と異なる文化的要素、人柄など)が浮かび上がってきました。TEDxTohokuはそれらの魅力をもっと多くの人に知ってもらい、東北のロールモデルを紹介することで本当の東北の魅力を伝えることに貢献したいです」と話した。 イベント後の懇親会では、登壇者・参加者・運営スタッフが交流。また、東北を盛り上げている立役者の1つである地場の食品も、懇親会に“彩り”を添えた。『東北を創る人を増やす』という団体理念は、カンファレンスイベントだけにとどまらず、こういった交流の場も含めたコミュニティとして価値を創り出したと言えるだろう。 イベントの様子は、イベント当日にはUstreamを通じて、無料配信。イベント当日に約2000人が視聴した。また、TEDxTohoku 公式ホームページでは、当日の様子が視聴できる。