【このクルマなんぼ?】わずか12台しか製造されなかった史上最強のマセラティ「マセラティ MC12 コルサ」 その落札価格は?
「コルサ」の車重はロードバージョンより200kg近く軽い1,150kgに収まっている。そして、レーシングバージョンにはドライビングエイドがない。つまり、ABSもトラクションコントロールもない。755馬力のパワーを手なずけるのは、ドライバーだけである。これが成功すれば、「MC12コルサ」は停止状態から時速200kmまでわずか6.4秒(!)で加速する。
MC12コルサの生産台数
「MC12コルサ」が何台製造されたかは、「GT1」マシンと「MC12コルサ」が混在していたこともあり、議論が分かれるところである。マセラティは公式に、12台の「MC12コルサ」のカスタマーカーと1台のプロトタイプが存在することを確認している。伝えられるところによると、12台の「コルサ」のうち、少なくとも3台は公道ライセンスが後付けされているという。
12台すべてが”ヴィクトリーブルー”のカラーで納車される予定だったが、顧客の特別な要望があれば他のカラーも可能だった。「MC12コルサ」には、ブラック、シルバー、ホワイト、オレンジの4色があることが知られている。”アランチョ”カラーのシャシーナンバー0008は、2007年にドイツのコレクターに引き渡された。
この価格帯のクルマにありがちなことだが、オレンジ色の「MC12コルサ」は、おそらく唯一のもので、ほとんど運転されなかった。とはいえ、定期的に整備と点検が行われていた。さらに、1月31日にパリで開催されるオークションに向けて、元「マセラティ コルセ」のメカニックによる大規模なエンジンのオーバーホールが行われる予定だ。
推定価格: 280万~350万ユーロ(約4億4,800~5億6,000万円)
この車両は、追加のホイールセット、燃料供給システム、豊富な資料を含むコンプリートセットとして提供される。推定落札価格は280万~350万ユーロ(約4億4,800~5億6,000万円)だ。ちなみに、2007年の新車価格は正味100万ユーロ(約1億6,000万円)だった。つまり、「MC12コルサ」が推定価格を達成すれば、それは堅実な投資であったことが証明されることになる。
但し、この仕様では、公道を走ることも、公式レースシリーズに参加することもできず、プライベートのサーキット走行でしか使用することができないクルマということだ。しかも「MC12コルサ」が単にうるさすぎるというリスクがある。そういう意味では、非常に高い買い物になる。 その一方で、将来のオーナーは、現代で最も成功したレーシングカーのひとつを手に入れるだけでなく、史上最もパワフルなマセラティを手に入れることになる!
Jan Götze