「水上の女神」特別編・西橋奈未がクイーンズクライマックスVに挑む
2024年のボートレース頂上決戦、『SG第39回グランプリ』は大阪府の住之江ボートレース場で開催中。そして年末には、女子ボートレーサーの頂点を競う熱い戦いが待っている。『プレミアムGⅠ(PGⅠ)第13回クイーンズクライマックス』は、28~31日に愛知県・蒲郡ボートレース場で開催(同時開催のGⅢクイーンズクライマックスシリーズは26~31日)。今年の成長が著しく、初めて大舞台の出場切符をつかんだ西橋奈未(28)=福井支部=が21日、大一番への意気込みなどを語った。 ◇ 「だれもが躍動する、スポーツ」。CMの合言葉通りに、女子レーサーもボートレースを彩っている。その中で今年、ひときわ輝きを放ったといえるのが西橋奈未だ。 昨年末はGⅢのクイーンズクライマックスシリーズ(多摩川、東京都)で優勝。表彰式で「来年は12人に残れるように頑張ります」と、PGⅠのクイーンズクライマックス出場を宣言。今年は充実した競走を続け、選出順位8位で有言実行だ。 石川県出身。幼い頃から乗りものが好きで、家族で福井県のボートレース三国に遊びに行ったときボートレースに興味を持った。高校卒業後に養成所に入所。2016年11月にデビューした。 セールスポイントは度胸の良さ。その一方で、強気なレースぶりから転覆や落水などの事故、フライングも多く、その罰則で長期の休みを強いられ、ビッグレースの出場を逃すこともあった。 「事故やフライングが多かったこともあって、これまでの自分の成長は遅いなと感じる。でも、それを経験したからこそ技術的にも精神的にも強くなれた気がします」 苦い経験をしても前を向き、己を磨き続けて経験値はアップ。21年8月のPGⅠレディースチャンピオン(静岡県・浜名湖)で初めてGⅠの優勝戦に進出した(6着)。今年は強豪男子が集う、最もグレードが高いSG競走に2回出場した。5月のオールスター(多摩川)は、ファン投票で5341票を集め選出順位22位。認知度は一気に高まった。8月にまるがめ(香川県)で行われたメモリアルは三国の推薦で出場し、上位争いこそできなかったものの2勝を挙げ存在感を示した。 「出場したSGはファン投票と、施行者さんからの推薦があったから。ファンのみなさんは、温かくて、熱くて、愛が深いんですよね。せっかくチャンスをいただいているので、早く上の舞台で成績を残さないといけないと思っています」