次期衆院選へ候補者調整、自公が確認 夏の決戦見据え早くも活発化 衆参同日選も念頭か
自民党の森山裕、公明党の西田実仁両幹事長は7日に会談し、次期衆院選に向けて候補者調整を進める方針を確認した。候補者調整は森山氏が提案し、公明側が受け入れたという。2カ月余り前に衆院選を戦ったばかりだが、石破茂首相(自民総裁)が夏の参院選に合わせた衆参同日選の可能性に言及したことも念頭にあるとみられる。夏の政治決戦を見据えた動きが早くも活発化している。 「多くの皆さま方の力をいただきながら、より良い日本を作るために、党の総力を結集してまいりたい」。首相は7日、党本部での仕事始めの会合で、夏の参院選や東京都議選挙への決意を述べた。森山氏は同日の記者会見で、参院選の勝敗ラインは非改選と合わせて与党で過半数の議席獲得とする考えを示した。 昨年10月の衆院選で大敗し、少数与党となった自公は、今月24日召集見通しの通常国会で厳しい国会運営が予想される。仮に令和7年度予算案を成立させたとしても、会期内に野党各党が一致して内閣不信任決議案が可決された場合、首相は内閣総辞職か衆院解散かの選択を迫られる。 野党を牽制するためか、首相は衆参同日選の可能性を否定していない。先月28日のテレビ番組では予算案や重要法案が否決された場合を念頭に「同時にやってはいけない決まりはない」と強調した。 森山氏は今月7日の記者会見で、衆参同日選の可能性を問われ「同日選を先に決めてということはあり得ない」と述べた一方、衆院選の自公の候補者調整に関しては「常在戦場だからだ」と含みを持たせた。 野党を揺さぶるカードとしてちらつかせる衆参同日選だが、実際に踏み切る可能性は低いという見方が自民内の大勢だ。閣僚経験者は報道各社の世論調査で内閣支持率が低迷していることを挙げ「衆参同日選はできない」と断言し、「ダブルで負けることになり、飛んで火に入る夏の虫のようなことはできない」との認識を示した。 自民内には先の衆院選終盤で発覚した非公認候補への2千万円支給問題について、首相や森山氏ら執行部への不満がくすぶっている。予算案の年度内成立が見通せなくなれば、参院選を前に自民内で「石破おろし」の動きが表面化する恐れがある。首相ら執行部は党内の不満分子を抑えながら野党に気を配る政権運営が求められる。(今仲信博)