【独自取材】最近の金正恩総書記が“おかしい”!? ブレまくりの方針に北朝鮮国内が右往左往か…専門家指摘「このような調子でやっていくと国が大変なことになるのではないか」
Q.日朝首脳会議が取り沙汰された同時期に、サッカーW杯予選でも「平壌で試合する」「やっぱりやめる」とかありましたが、あれは何だったのですか? (李教授) 「金正恩総書記は普通じゃないんだってば(笑)しかし、それも合理的な推理をすれば、いざ国際試合を開催しようとしたら、北朝鮮は悲惨な状態なので、これはない、これも必要、お金も必要で、下の人間は金にならない話をやりたくないんです。そこでなにか口実を作ってやめたいんで、見つけたのが『日本で何か伝染病が流行っている』ということです。それを上に『日本でこのような伝染病が流行っている。我が革命の首都平壌を死守しなければなりません。偉大な首領様の安全にかかわります』とやめるべきだと提案して、やめたんじゃないでしょうか」 Q.4月に中国共産党の“ナンバー3”趙楽際氏と会談した意味は? (李教授) 「今年は中朝親善の年、友好の年ですので、お互い行き来するのは特別なことではないのですが、中国の“ナンバー3”が北朝鮮に行ったということは、今ロシアと北朝鮮がいろんな交流をしているので、そこに探りを入れるのもありますし、昔からやっている中朝の情報交換を密にしましょうというような意味で、中国は代表団を派遣したと思います。これで、中朝関係が劇的によくなったということではなく、ロシアと北朝鮮の関係が過熱している状況の中で、中国が蚊帳の外にいるわけにはいかないので、少し誠意を見せたという状況です。北朝鮮外交というのは、いつもロシアと中国の間で二股外交をやっているわけですが、それを分かりつつも中国も付き合わざるを得ない状況ではあります」 Q.ことしに入って、金与正氏の報道が多いと感じますが、そのワケは? (李教授) 「金正恩総書記は与正氏しか頼れる人がいないのではないでしょうか。もう一つは、北朝鮮の官僚やメディアが過激な言葉をたくさん発言しますが、みんなまたかと見向きもしないのに、金与正氏の口を借りると、面白半分でみんな注目しますよね。そういう意味もあって与正氏が出しゃばっている状況だと思います。しかし、与正氏の地位に変化があるようには思えません。今なお彼女は、正式には『労働党中央委員会副部長』です。ただ、昔から彼女の地位が高くなったとか低くなったとかいうのとは関係なく、金正恩総書記の意向を一番よく知っていて、金正恩総書記に一番近く、金正恩総書記が一番頼りにしている人ということには変わりがないので、自然と金与正氏の出番が多くなっている気がします」 Q.韓国の総選挙で野党が事実上勝ちましたが、北朝鮮にどのような影響がありますか? (李教授) 「北朝鮮の希望通りになっていると思います。ただ北朝鮮は今一つ満足できていません。できれば尹錫悦大統領を弾劾で引きずり降ろしたいので、これからも工作は続くと思います。与党から8名を買収すれば弾劾できますので、そのような危険性はあります。北朝鮮は伊大統領を引きずり降ろして、対北朝鮮政策を転換させたいという思惑があると思います。北朝鮮の『労働新聞』にはっきり書いています」 Q.トランプ氏がアメリカ大統領に返り咲いたら、北朝鮮はどうなると思いますか? (李教授) 「交渉には持ち込むでしょう。ただ、結果的には北朝鮮はトランプ氏にやられると思います。北朝鮮は、うまくトランプ氏を騙して今の北朝鮮の“核”などを認めてもらって、制裁解除を求めると思います。トランプ氏の周辺にはそういう考えを持っている人達もいるようですが、どう考えても国際社会、特に日本がそれを許してはなりません。核を認めることは絶対ダメで、北朝鮮の核はCVIDつまり、『完全で検証可能かつ後戻りできない非核化』をずっと求めていくべきだと思います。ただ、トランプ氏は政治家でありながらビジネスマンでもあって、その時々の状況が、自分にとってどの方向に行く方が有利かで判断するかと思いますが、北朝鮮を容認してトランプ氏にプラスになることはまずないと思うので、トランプ氏が大統領になっても、北朝鮮問題はそんなに心配しなくていいと思います」 (【ミヤネ屋Pが全部聞く】2024年4月24日公開)
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