【独自取材】最近の金正恩総書記が“おかしい”!? ブレまくりの方針に北朝鮮国内が右往左往か…専門家指摘「このような調子でやっていくと国が大変なことになるのではないか」
2024年もその動向が注目を集めている北朝鮮の金正恩総書記。朝鮮半島専門家の龍谷大学・李相哲教授はここ数か月の動向から“異変”を感じているという。一時期は熱が高まった日朝首脳会談や、共産党“序列3位”が訪朝した中国との関係、露出が増えた金与正氏、韓国総選挙の影響や“もしトラ”への分析まで…。気になる最新の北朝鮮情勢をミヤネ屋Pが全部聞く―。 【動画で見る】最近の金正恩総書記が“おかしい”!? 方針転換に北朝鮮国内が右往左往か…専門家指摘「このような調子でやっていくと国が大変なことになるのではないか」
Q.ことし、北朝鮮をウォッチしていて金正恩総書記に気になることがあるそうですが? (龍谷大学・李相哲教授) 「やっていることや言っていることがおかしいんです。元気になって一人で全てやっている状況ですが、このような調子でやっていくと、国がメチャクチャになるんじゃないかなと思います。金正恩総書記が生産現場に行って、『ああしろこうしろ』と言うと現場が混乱するでしょ?しかも、彼がやっているのを見ていると、あるときはミサイル発射に夢中になって、子どもみたいにやって。またあるときは潜水艦に夢中になって、あるときはスマートファームで野菜を育てて、『人民の生活に力を入れている』と報じられていますが、問題は北朝鮮の発電量は、室内で野菜を育てられる状況じゃないんですよ。今北朝鮮が大至急解決しなければいけない問題は、まず発電所を何とかすることです。しかも、発電所はタービンなどの部品を交換で済むレベルの問題ではなくて、そっくり入れ替えないと使い物にならない、もはや修正が利かなくなっている状況なんです。そのような基本的な問題を解決せずに、電気をたくさん食う野菜工場を作れとか、彼がやっているのは経済原理に全く合わないと私は思っています。それがもっと危険なのは、そういうことに誰かが文句を言う必要があるし、国家全体を立て直すにはどうすればいいかということを議論して着手するべきですが、もはやこの国はその段階をとっくに過ぎています」
「そして、金正恩総書記は、金日成主席、金正日総書記の存在を何か消そうとしているんですよ。彼が指導者になったのは、彼に特別な能力があって偉大だったからではないんですね。父親の指名で指導者になったのに、自分を指名した権威を否定すると自分を否定することになりますよね。それと、北朝鮮が70年以上追求してきたのが『祖国統一』なんです、それが唯一の目標です。しかも彼らがなぜそのことに頑張ったかというと、今北朝鮮は本当に苦しい、生活が悲惨なんですが、それでも国民が我慢して付いて来ている意味は、『今は苦しいけれど、いつか統一すれば一気に楽になる。生活も良くなる』と思って頑張っているんです。特に幹部などはそうです。ところが『統一はない。韓国は同じ民族ではない』と言い出して、切ってしまったんです。こんなことは、彼が独断で決めなければこのようにはならないんですよ。今、北朝鮮の意思決定システムがおかしくなっているんです」 Q.金正恩総書記が住宅建設の現場に来たりするのも、突然そうなったのですか? (李教授) 「平壌に毎年1万世帯の住宅を作るという計画については、私が約10年前に書いた『金正日秘録』のなかに詳しいくだりがあるのですが、金正日総書記が死ぬ1~2年前に、金正恩総書記に『住宅建設を担当して平壌に街を作るようにしろ』と彼に権限を渡していたんですよ。その時に金正日総書記がたてたスローガンが『平壌に10万世帯の住宅を作る』というものですが、金正恩総書記に任せたら、一向に進んでないんです。彼は裏で自分の父親を『あいつは金もくれないでやれやれ言うけど、どうやってするんだ』と文句を言ったという話もあるんです。その一向に進んでいなかった計画を、いまやっとやりだして、少し成果が出ています。しかし、1つの国が1万世帯程度ですよ、ビル1万棟ではないですよ、それを自慢するようでは、この国の経済がいかに小さいかが分かります。金正恩総書記が視察して、『立派だ』とみんなが拍手をして、いい気になるというようなことをしているので、どんどん国がダメになっていくような気がします」 Q.金正恩総書記の方針があちこちにブレまくっていると感じているのですか? (李教授) 「そうです。『人民生活改善に力を入れています』という風に見せているんですね。今までずっとミサイルをぶっ放したりしていたじゃないですか、人民には『戦争が今に起こるかもしれないので我慢しろ』と言ってやってきたのが、もう限界にきて、『戦争は起こらないじゃないか、先に食べ物の問題を解決しろ』というような雰囲気だと思うんですよ。だから、やっている“ふり”で“温室農場”だとかマンション建設など人民生活に力を入れているように見せているんです。そういう報道を見ている西側の専門家たちは金正恩総書記が民生に力を入れていると言っていますが、“はったり”ですよ、あれは。本気で解決するならそういうことではなく違うことをするべきでしょう」
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