メキシコ、リスクあっても金融システムの安定性に自信=中銀報告
Brendan O'Boyle [メキシコ市 11日 ロイター] - メキシコ中央銀行は11日公表した今年下半期の金融安定性報告で、実体経済の「目立った弱さ」や市場のボラティリティーと貿易摩擦に由来するリスクがあっても、国内金融システムの安定性に問題はないと自信を示した。 中銀は、各金融機関の経営基盤には「強固で耐性がある」上に、当局が設けた最低基準を上回る資本や流動性が備わっていると記した。 メキシコ市場は今年後半かなり不安定化した。シェインバウム政権が進める憲法改正を巡る不透明感や、トランプ米次期大統領がメキシコからの輸入製品に25%の関税を課すと表明していることへの懸念が響いている。 中銀は、それでも市場は「比較的秩序を保った」形の値動きで何とか乗り切ったとの見方を示した。 一方、金融安定性にとって現段階でのリスクは総じて限定的と見なされるものの、想定外または深刻なショックが起きれば金融システムの適切な機能に悪影響が生じる恐れがあるとくぎを刺した。経済がさらに悪化する可能性もリスクの1つだと説明した。 中銀は2025年の経済成長率が前年比1.2%となり、24年見込みの1.8%から鈍化するとの予想を示した。