今、徐々に「8cm CD」が再注目! なぜ? そもそも生まれた経緯は? 専門DJが語る
今、徐々に再注目されてきた8cm CD=短冊CDを特集。8cmCD専門DJのディスク百合おんさんが解説した。 この特集を扱ったのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは7月10日(水)。
8cmCD誕生は、レコード棚を使いたかったから?
8cmCD=短冊CDの魅力をまとめた1冊『短冊CDディスクガイド 8cmCDマニアックス』(DU BOOKS)が7月12日(金)に発売。この本の監修を務めたディスク百合おんさんが8cmCDの世界を解説した。 あっこゴリラ:8cmCDはいつから生まれたんですか。 ディスク百合おん: 8cmCD 自体のリリースは1988年2月21日に日本でリリースされました。もともとその少し前に海外でフランク・ザッパがリリースしたのが最初らしいです。縦長の短冊の形状は日本独特なんですけど、出たときはいろんなレコード会社から68タイトル出ました。 あっこゴリラ:レコードからのカセットテープがあって、そこからのCDのリリースがあったわけですね。 ディスク百合おん:12cmCDが先に出ていて、そこからいわゆるアルバムとシングルを差別化するために作られたと思います。そこで後から小さい8cmCDが出てきたと。レコードもそうですよね。ただ、縦長の形状が独特ですよね。もともとレコードショップでCDの陳列にレコード棚を使いたいとなったときに、小さいCDだとあまりにも高さがなさ過ぎて棚に隠れてしまうところがあったので、縦長にすることで見えるようにするということと、8cmCDの短冊を2枚横に並べるとレコードのシングル盤のサイズなんですよ。レコードのシングル棚を転用して8cmCDが置けるわけです。 あっこゴリラ:レコード屋の都合に合わせたわけですね。 ディスク百合おん:おそらくレコードからCDに変わるときに棚を全部変えてくださいっていうハードルが高すぎたんだと思います。それで生まれたのがこの短冊CDですね。 その後、8cmCDは10年ほどで消えていったという。 ディスク百合おん:1988年から2000年くらいまであったんですけど、そこからは一気にタイトルが減っていきました。ただその10年は音楽業界が盛り上がっていた頃で、何百万ミリオンが多く出ていた時期なので、とんでもない速さで嵐のように去って行きましたね。 あっこゴリラ:8cmCDのカップリング曲はアルバムに収録されずそのCDでしか聴けないとかありましたよね。 ディスク百合おん:いわゆるシングルは出せたけどアルバムをリリースするまではたどり着けなかった人たちもけっこういるんです。けっこう(リリースの企画が)何でも通ったような時代なので。 あっこゴリラ:みんなデビューしまくったけどすぐにいなくなるというか。 ディスク百合おん:「こんな人まで?」というような歌手以外の方の8cmCDも出ていましたね。なので(今では)けっこう高騰してしまったりするところはあります。 ここで、ディスク百合おんさんが8cmCDでしか聴けないようなレア曲を紹介。まず、宝生 舞の『赤い鳥』をセレクトした。 ディスク百合おん:当時、一世を風靡した女優さんで、いわゆる歌が上手とかでは決してなかったりとかいろんな要素はあるんですけど、曲自体はいい曲をもらっていて、逆に拙い部分の味が出ていい1曲ですね。