「もっと丁々発止でやりあう場面を」 群馬・山本一太知事が県議会の論戦に注文
群馬県の山本一太知事は4日の定例会見冒頭、現在開催中の県議会一般質問のやりとりを念頭に「地方議会にも国民の厳しい視線にさらされているという緊張感が必要」としたうえで、「たまには原稿を読まないで、日本経済における群馬経済の在り方や群馬が担う地域外交などを知事と論じ合うような場面が、もっとあっていい」と語った。 【写真】「安倍元総理を敬愛する人々の気持ちだけは考えて」 山本一太知事が石破内閣に要望 知事を指名する質問が少なかったこともあるが、地方議会の存在が埋没しがちな現状を憂いたとみられ、論戦を中継する地元・群馬テレビの視聴率の低さを嘆いた。一方で、SNS(交流サイト)を使って安芸高田市長(広島県)時代や都知事選で注目を集めた石丸伸二氏、現在も注目されている兵庫県議会の事例を挙げ、「(論戦を)ユーチューブで中継するのも悪くない」「丁々発止でやりあう場面があってコンテンツさえ良ければ注目を集める」などと語った。 数少ない指名を受けた3日の県議会一般質問で、群馬など4県にまたがる尾瀬国立公園の整備を進めるため観光客らから「入域料」を徴収することを検討する意向を明言。地元紙は4日付の1面トップで報じており、「私がラスボス。こうした前向きな方針を引き出すことも可能」と知事との論戦の効用を示した。 会見の最後には、「政治家の出処進退」について語り出し、「私は世代交代論者だが、若ければ何でもいいというものではない」とした。来年4月に改選期を迎える太田市長選に新人の県議(50)が出馬の意向を表明する一方、5期目の現職、清水聖義氏(82)が態度を保留していることに触れたもので、「清水市長は心身ともに衰えがなく頭脳も明晰(めいせき)。出馬するなら知事として全力で応援する」と語った。 さらに、来夏に出馬か否か意向を表明するとしている自身の3期目(令和9年夏改選)にも触れ、「出馬するとは決めていないが、もし出るようなら、ぜひ若い世代に挑戦してもらいたい」と述べて受けて立つ姿勢を示すなど、最後まで持論を展開した。