創業4年の レンタルサービス 、ヌーリーが競合他社に先がけ、黒字化を達成した方法
この10年間、支出したよりも多くの利益を上げたことがない企業の数が大幅に増加している。ウーバー(Uber)やAirbnbなどの企業は、一度も利益を上げたことがないまま、評価額が数十億ドルにまで膨れ上がっている。しかし、現在では、低金利の時代は終わり、企業は収益性を求めて競い合っている。
ヌーリー、創業4年で黒字化を達成
アーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)の親会社、アーバン(URBN)が所有するファッションレンタルサービスのヌーリー(Nuuly)は利益を上げることに成功した。ヌーリーは、11月21日、今年第3四半期に初の黒字を達成したと報告。コスト削減もこの業績の一要因ではあるが、主に収益の大幅な増加により推進された。売上高は前年同期比86%増で、6500万ドル(約97億円)に達した。レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)の競合企業であるヌーリーの加入者数は3.8万人増え、アクティブな加入者の合計は20万人弱となった。 ヌーリーは月額98ドル(約1.5万円)で、ユーザーは400ブランドの1.7万点以上の製品から1カ月に6点をレンタルできる。ヌーリーは、新規顧客を獲得しているだけではなく、人々にレンタルのアイデアを初めて紹介していると自慢している。同社によると、その利用者の65%以上はこれまでレンタルを利用したことがなかったという。
収益性を後押しした口コミの力
レンタル分野や再販分野の競合他社の多くは収益性を目指して尽力しているが、いままでのところ目標を達成できていない。ヌーリーよりも10年早く創業したにもかかわらず、レント・ザ・ランウェイはまだ利益を出していない。ザ・リアルリアル(The RealReal)は、昨年、黒字化の達成に奔走して、人員削減、コスト削減、家庭用品など採算が取れていないカテゴリーの削減まで行っている。 では、ヌーリーは他社ができなかったことをどのようにして達成したのだろうか。ヌーリーのプレジデント、デビッド・ヘイン氏はある発言において、今年初め、定めた目標である利用者数20万人のマイルストーンを達成するにあたり、口コミから多大なメリットを得ていると語っている。 「新規加入者からは、友人や家族から聞いて初めてヌーリーのことを知ったという話をよく聞く。当社のレンタルを使い出して1~2カ月後にはレンタルのファンになり、友人たちにヌーリーのことを話し始めるのだ」ヘイン氏。「このようなバイラルな口コミと、魅力的な価値提案と優れた実行力が、創業から最初の数年間で急速に成長するのに役立っている」。