創業4年の レンタルサービス 、ヌーリーが競合他社に先がけ、黒字化を達成した方法
ラグジュアリーではないアイテムを揃えたヌーリーのメリット
ヌーリーの収益性は、ラグジュアリー製品への支出が減少傾向にある現状において実現された。サックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)やケリング(Kering)などの企業はラグジュアリー製品の需要減少に苦戦している。レント・ザ・ランウェイとザ・リアルリアルはラグジュアリー製品に依存しているが、ヌーリーはそうではない。 また、コストの問題もある。ヌーリーのサブスクリプションコストは、最大3000ドル(約45万円)相当の10点に対して月額100ドル(約1.5万円)を請求するレント・ザ・ランウェイとほぼ変わらない。顧客はもっと良いレンタルを見つけられるかもしれないが、リーバイス(Levi's)やアーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)などのラグジュアリーではないブランドを取り揃えているおかげで、ヌーリーのコスト構造は会社の収益にとってより有利になっている。ヌーリーの100ドル(約1.5万円)の衣服は、同様のレンタル料金で別のプラットフォームから1000ドル(約15万円)の衣服をレンタルするよりも(元を取るのに)レンタル回数が少なくてすむ。
最初から黒字化を目指す企業と成長に注力する企業の違い
収益性の高いラグジュアリー再販会社、ファッションファイル(Fashionphile)のCEO、ベン・ヘミンジャー氏は、最初から収益性を念頭に置いて設立された企業は他企業よりも容易に収益性を達成できると述べている。ヌーリーは最初の数年間で黒字化を達成することを柱のひとつに掲げ、2019年に創業した。一方、2000年代後半から2010年代前半に誕生した多くのスタートアップ企業は何よりも成長を目指すという条件を抱えていた。 「そのような企業には、何よりも成長と市場シェアに注力し、収益性はあとで判断すればいいという権限が与えられていた。投資家からの全資金を早い段階で使い始め、成長期待に迅速に応えなければならないというプレッシャーがあると、支出に対して適切な判断ができなくなる可能性がしばしばある」とヘミンジャー氏は述べた。 [原文:How Nuuly achieved profitability ahead of rental competitors] DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
編集部