ウォーターリヒト坂路で12秒0、ラストイヤー河内師に6年7カ月ぶり重賞V捧げる/京都金杯
<京都金杯:追い切り> “河内の初夢”が飛んでくる!? 2連勝中のウォーターリヒト(牡4、河内)が2日、京都金杯(G3、芝1600メートル、5日=中京)に向けて栗東で追い切られた。坂路で末脚を伸ばして4ハロン55秒4-12秒0。3月に定年を迎える河内洋調教師(69)にとっては18年平安S(サンライズソア)以来6年7カ月ぶりのJRA重賞Vがかかる。 ◇ ◇ ◇ 新年最初の調教が始まって数分後の坂路に“初夢”を背負った明け4歳馬ウォーターリヒトが姿を現した。夜明け前の闇を照らすライトに栗毛を輝かせ、力強く脚を伸ばす。徐々に加速してラスト12秒0でフィニッシュ。見守った河内師は「しまい重点。いいよ」と静かな口調で評価した。 かつて名手として功を成した69歳が、いよいよ競馬人における最終年を迎えた。今年3月初週で定年。「もう十分にやったから」。ぽつりと口にした一言が重い。騎手では牡牝クラシック完全制覇をはじめJRA・G1・22勝。調教師としても23年にJpn1のJBCレディスクラシック(アイコンテーラー)を制した。 そんな今年の開催初日で6年7カ月ぶりのJRA重賞制覇に挑む。2連勝中のドレフォン産駒とは昨春に最後のクラシックシーズンを戦った。「去年の春は使い詰めだったし(スプリングS9着、皐月賞16着と敗れた)中山はカーブが多いから合わなかったのでは。馬は良くなっている。左回りの1600メートルはいい」。昨年にはシンザン記念で3着、きさらぎ賞で鼻差2着の実績もあり、8カ月ぶりの重賞でも見劣らない。 磨きをかけた末脚にかける。2走前の東京では上がり32秒8の切れ味を見せた。昨秋から手綱を託して2戦2勝の田辺騎手の存在も頼もしい。「今回は重賞だしハンデ(57キロ)が1キロ重いかなとは思うけど、うまくさばければ」。74年の騎手デビューから数えて52年目。輝かしい競馬人生の最終盤に金の彩りを添える。【太田尚樹】