【独自】「滑舌悪いから歌え。歌詞を間違えたら罰金」男性役員から10年以上続いた過酷なパワハラの実態『暴言』『罰金制度』『使い走り』...「無かったことにはできない」廣岡揮八郎の三田屋の元従業員が提訴へ
『廣岡揮八郎の三田屋』のブランド名で兵庫県内でステーキハウスを5店舗運営する会社「三田屋」。ハムの製造販売では百貨店に直営店を構える。ここの元従業員が訴えるのが、創業者一族の男性役員によるパワハラだ。今回、取材班は内部音声と文書を入手。過酷なパワハラの実態に迫った。 【写真で見る】12月12日「4000円」、12月13日「5000円」…男性役員がつけていた「罰金一覧表」【独自入手】
「暴言は繁忙期なら日常茶飯事」元従業員が語る10年以上にわたるパワハラ
【録音された音声】「帰れや!帰れ!ボケ!」 響き渡る怒号。これは、「三田屋」の社内で発せられた、40代の男性役員のものとされる音声だ。 元従業員Aさん(44)は実際にこの罵声を浴びせられるなど、10年以上にわたって男性役員からパワハラを受けてきたと話す。 (Aさん)「普通に『その年でそんなことをやって恥ずかしくないのか』とか『帰れ』とか。よく『お前らなんかいなくても会社は存続できる』とか。暴言は繁忙期なら日常茶飯事。ありすぎて逆にないほうが違和感があるという感じ」 Aさんは2006年、兵庫県を中心に『廣岡揮八郎の三田屋』というブランド名でステーキハウスの運営などを行う三田屋に入社。2011年からはハムの製造工場で勤務することになったが、当時、工場長を務めていたのが問題の男性役員だった。 書類や検品などに不備があった場合のほか、業務に関係がない指示に従わない場合も怒号が飛んだという。 (Aさん)「(工場内には)カメラがどの部屋にもついていて、(男性役員の指示が)インカムで聞こえたら返事。最初は手を挙げるくらいだったが、『3回まわれ』とか『ジャンプしろ』とか。カメラ越しに面白い映像をほしがっている。こちらが『嫌です』と言っても『やれ』と言われるので。『そっちのほうが大事や』とか言われたら、それは従わざるを得ない」
従業員アンケート結果を独自入手「ただただ人権侵害…見るに耐えない」
この役員によるパワハラ被害を訴えるのはAさんだけではない。三田屋で現在も働く従業員は、複数のスタッフが男性役員から暴言を吐かれた経験があり、退職する人が後を絶たないと証言する。 (現役従業員)「ミスをしたりするとかなりの罵声で怒られたりとか、ゴミ箱を蹴られて威嚇をされたりというのはありました。『アホ』『ボケ』『カス』は当たり前。『辞めてしまえ』とかもありましたし。何かすれば怒られるというのが先に立ってしまうので、思うように体が動かないというか…」 MBSは、会社が2022年に従業員を対象に行ったアンケート結果を独自に入手。そこには男性役員に関するクレームが複数書かれていた。 【社内アンケートの結果より】 「社員に怒鳴っているイメージしかなかった。とても嫌な思いをした」 「特定のスタッフへのパワハラ・モラハラを超す、ただただ人権侵害に関しては見るに耐えない」 さらに、Aさんは男性役員による仕打ちは暴言などのパワハラに留まらないと話す。それが「罰金制度」だ。