巨人・桑田真澄2軍監督、秋広優人には勝敗を左右する場面で打てる打者になってほしい…コラム「桑田の眼」
巨人・桑田真澄2軍監督(56)がファームの現状を伝えるコラム「桑田の眼」がスタート。2軍開幕からの3週間を振り返り、試行錯誤が続く秋広優人内野手(21)や、チームの状態について語った。 【動画】身長202センチの秋広優人、不思議な姿勢で取材に応じる * * * 2軍には「供給」「調整」「育成」の3つの使命があると考えています。3月は1軍選手の調整を最優先にチームを運営しましたが、4月からは若手選手の育成と1軍への戦力供給を主眼に置いています。練習で特徴的なのは、1軍の緊迫した場面に備えてケーススタディーを取り入れていることです。例えば投手はフルカウントでいかに空振りを奪えるか、打者なら走者三塁でどんな打球を打って走者をかえすのかなど、自分の持ち味、相手の狙い、試合展開を考えるよう工夫しています。 個別の選手に話題を移すと、昨季1軍で活躍した秋広がもがき苦しんでいます。心身ともにイメージ通りにいかない様子が伝わってきます。でも、そんな逆境だからこそ前向きに仮説と検証を繰り返し、自分できっかけをつかんでほしい。だから「今は結果を気にせずに、いろんなことにチャレンジしよう」と伝え、橋本2軍打撃コーチと試行錯誤しています。データ班のスタッフと科学的なアプローチでスイング解析に取り組んでいますし、私も打撃投手をしながら、投手目線で感じたことを伝えています。 我々の願いは、秋広に勝敗を左右する場面で打てる打者になってもらうこと。当然相手は、データを分析した上で弱点を攻めてきます。ですから、今季の秋広にはより深く野球を理解する力が問われています。そこで「打席でどんな待ち方をすれば確率よく、状況に応じた打球を出せるのか」という問答を続けています。 ティマについては4、5月はある程度、苦しむことも計算しています。長打力という持ち味を消すことなく、低めのボール球に手を出さない選球眼を磨いてほしい。投手では戸田が成長を続けています。練習前のあいさつから課題を持ってブルペンに入る姿勢に至るまで、ガラッと変わりました。内面の変化が行動に表れているように感じます。 とはいえ、プロ野球は結果を出し続けることを求められる厳しい世界です。選手も私たちも、前向きな気持ちと危機意識を持って日々挑戦を続けたいと思います。(巨人2軍監督・桑田 真澄) ◇今週のファーム試合予定 【2軍】 ▽9~11日 イースタン・オイシックス戦(ハードオフ新潟) ▽12~14日 同・西武戦(カーミニーク) 【3軍】 ▽9日 プロ・アマ交流戦・航空自衛隊千歳(G球場) ▽10日 同・ハナマウイ(G球場) ▽12日 独立リーグ交流戦・BC茨城(さくら) ▽13日 同・BC茨城(笠間)
報知新聞社