横浜DeNA三浦監督の“タブーなき大胆采配”が呼んだサヨナラ劇…相性悪い宮崎を先発から外して“天敵”青柳攻略
エースとしてリーグトップ12勝の青柳に投げ負けるわけにはいかなかった。今年の6月17日の対戦を含めて、過去2度のマッチアップでは今永が2敗している。 「彼に投げ勝ったわけではないと正直思っている。5回で100球近く投げていたし、かなり調子は悪かったと思う。でもその中でもなんとか最少失点に抑える。これが勝つピッチャーの投球なんだと思い知らされた。尊敬する選手の1人。投げあえて幸せかな」 同い年の虎のエースに抱くライバル心と尊敬の念。 この日の青柳は、ボールが先行し、決して調子はよくなかったが、桑原のスタートミスに助けられて先制を阻止するなど、最小失点に踏ん張った投球に学ぶものがあったという。 マインドも変えた。 「これまでは、1点もやれないとか、自分を追い詰めるマインドになっていた。でも今日は心を窮屈にしないマインドで投げられた」 その余裕を作ってくれたのが、今季2度目のコンビを組み6回までマスクをかぶった戸柱のリードである。いつもより若干ストレートが増え、変化球では、カットボールの割合を増やしてウイニングショットでもあるチェンジアップに的を絞らせなかった。阪神は中野の新型コロナによる離脱で近本、島田、ロドリゲスと1、2、3番の打順を動かしてきたが、1、2番の出塁を抑えるどころか、4番の佐藤まで、1番から4番までの上位打線に1本のヒットも許さなかった。 これで首位のヤクルトに9ゲーム差、2位の阪神に0.5ゲーム差である。今日の勝ち負けで2位浮上である。 お立ち台で今永が「この満員の横浜スタジアムの中で野球ができて、ファンを背にして、この順位にいていいはずがない」と言えば、ヒーローの大田は「横浜、最高!」と叫んだ。