横浜DeNA三浦監督の“タブーなき大胆采配”が呼んだサヨナラ劇…相性悪い宮崎を先発から外して“天敵”青柳攻略
全員で青柳対策を徹底した。ストレートとツーシームを軸に四隅にボールを動かし、引っかけさせて内野ゴロを大量生産するのが青柳の持ち味である。横浜DeNA打線は「ボールに逆らわない」を貫いた。 「打つポイントを明確にして打席に入り、強引なスイングはせず、コースなりに左中間から右中間をイメージして打ち返していくこと」と鈴木尚典打撃コーチ。4回に一死から牧、楠本が連打。糸原の送球ミスを誘い1点を返した宮本の内野ゴロも「逆らわない」バッティングだった。 6回には、とっておきの切り札で勝負に出た。6回一死三塁で代打オースティンをコールした。オースティンもセンター返しを心がけていた。青柳の差し出したグラブを弾いた打球はセカンド前へ転がり、その間、二塁打で出塁していた牧が同点のホームを踏んだ。オースティンはファームでは一塁を守っているが、万全を期して、昇格以降まだスタメンでは起用していない。結果、この日、コロナから復帰したソトを含めて、豪華な代打陣がベンチに控えることになったのである。後半勝負の接戦になれば威力抜群である。 今季5度目のサヨナラ劇を呼び込んだのは、9回を投げ切った今永の力投だった。不運な失点があった。2回一死から糸原をレフトフライに打ち取ったかに見えたが、レフトの宮本が打球判断を誤るミスを犯して二進を許す。続く陽川、木浪にタイムリーを浴びて2失点。記録はヒットとなったため、自責2がついたが、3回以降は、わずか1安打。今永は球数が多い投手だが、戸柱のリードでペースを守り「長いイニングを投げたかった」と9回を113球完投した。9回はまだ149キロが出ていた。 「空振りを取る、しっかりと押し込むところは押し込み、泳がすところは泳がすと、ここ数試合で一番よかった。チームにとっても今永にとっても大きな勝利」と三浦監督が絶賛する内容で、軸となるストレートが阪神打線を苦しめたが、今永自身は「真っ直ぐは打たれているときも抑えているときも、コンスタントに球速も出ているし、指にもコンスタントにかかっている。そこはいつも通りだった」と冷静に振り返った。