“最強助っ人”元阪神のランディ・バースは今度こそ14日発表の野球殿堂入りを果たせるのか?
1959年に創設された日本の野球殿堂は「日本の野球の発展に大きな貢献をした方々の功績を永久に讃え、顕彰するためのもの」と定義されている。明確なガイドラインはないが、過去に殿堂入りした外国人選手は、1960年選出の元巨人のヴィクトル・スタルヒン氏、1994年選出の元中日などで活躍した与那嶺要氏の2人しかいない。ただ、この2人には”外国人助っ人”の色合いは薄い。プロ野球初の300勝投手となったスタルヒン氏は、小学校から日本の学校に通っていたし、“ウォーリー”の愛称で親しまれた与那嶺氏は日系2世。事実上、外国人選手と言える候補者はまだ誰一人として殿堂入りを果たせていないのである。 リー兄弟の兄、元ロッテのレロン・リー氏や、元オリックス(阪急)、ダイエーで10年間プレーしたブーマー・ウェルズ氏らの”最強助っ人”も殿堂入りできぬまま候補者から消えてしまっている。 リー氏は、首位打者、本塁打、打点のタイトルを総なめにし、4000打席以上の生涯通算打率.320は、歴代2位の記録。ロッテでの11年間の通算安打は1579安打(日米通算1983安打)、283本塁打だった。ブーマー氏は、首位打者2回、打点王4回、最多安打4回で1984年には打率.355、37本塁打、130打点で3冠王を獲得している。日本球界でのプレー年数と実績から言えばバース氏よりも、この2人が先に選ばれてしかるべきだったのかもしれないが、もしバース氏が、これまで殿堂入りに立ち塞がってきた”外国人の壁”に風穴を開けるのならば、それはそれで大きな意義があるだろう。 21日に発表されるメジャーの殿堂入りは、プロ野球選手の最高の栄誉として絶対的な権威を持ち、ファンにも広く認知され、立派な文化的財産となっている。だが、まだ日本の殿堂の価値は、文化的財産にまで成熟していない。ファンが無関心にならないための問題提起や、議論の喚起が必要なのかもしれない。ちなみにここまでの日本野球殿堂入り者は204人を数えている。