《元カレミュージシャンやじゃいの投稿へ違和感》中山美穂さん急逝で「追悼コメント」が波紋 SNS時代には「何を言うか」より「何を隠すか」が愛情
誰でも思ったことを即発信できるSNS時代。だからこそ、言わない方がいいことやタイミングへの配慮が必要なのではないか。有名人批評や夫婦に関する問題について執筆活動を行うライター・仁科友里さんが、中山美穂さん急逝に際しての有名人たちの追悼コメントについて考察する。 【写真】交際中だった音楽家の渋谷慶一郎氏と手をつないで出かける中山美穂さん
* * * 女優・中山美穂さん急逝のニュースは、日本中に大きな衝撃と悲しみを与えましたが、同時に「SNS時代の追悼の難しさ」について、考えさせられたのでした。 中山さんが亡くなってから、仕事やプライベートなどの関りがあった人が、次々に追悼コメントを発表しています。それらは中山さんの芸能界における功績の大きさや愛される人柄を裏付けるものと言えるでしょう。しかし、こういったコメントがネットニュースとなり、SNSで拡散されて、一般の人もそれに関してつぶやき、大きなうねりとなっていくことに、一抹の恐怖も感じるのです。ですから、追悼コメントを出す際には、亡くなった方との関係性はもちろん、コメントの内容に関しても慎重になるべきではないでしょうか。
追悼コメントを出すにふさわしいオフィシャルな関係
まず、追悼コメントを出すのは、オフィシャルな関係の人だけでいいのではないかと思うのです。オフィシャルとは何かといえば、本人が関係性を公言しており、世間にもその人との関わりが広く認知されていることが条件と言えるでしょう。
たとえば、中山さんは作家の辻仁成さんと結婚し、後に離婚しましたが、辻さんは訃報を受けて、ご自身が編集長を務める「DESIGN STORIES」において、中山さんのことだと明言しないものの「不意の悲しいお知らせがあった」と書いています。おふたりの間にはお子さんがひとりいて、辻さんと暮らしていますが「できれば、みなさん、息子も頑張っているので、そっとそっと、見守ってやっていただけると、まじで、父ちゃんは嬉しいのである」と結んでいます。離婚をしたわけですから辻さんと中山さんは“他人”なわけで、コメントを出す義務があるわけではないでしょう。けれども、父親として、母親を亡くしたお子さんの気持ちを守りたいという気持ちから、このようなコメントを出したのではないでしょうか。 工藤静香さんも追悼コメントを寄せていますが、1987年放送の中山さんが主演のドラマ「おヒマなら来てよネ!」(フジテレビ系)で工藤さんは共演していますし、当時のアイドル雑誌を見ると、おふたりは仲良しとしてよく誌面にも登場していました。公私ともに親しかったオフィシャルな関係と言えるでしょうから、追悼コメントを出すのにふさわしい間柄と言えると思います。