<サッカー>U-23代表はイランに勝てるのか? 浮かぶ不安材料
カタールで行なわれているサッカー男子のリオ五輪アジア最終予選。日本は3戦全勝でグループステージ突破を決めたばかりでなく、フィールドプレーヤー20人全員をすでにピッチに送り出し、まさに「チーム一丸」という雰囲気で22日、イランとの準々決勝に臨む。アジアの出場枠は3つ。ミッション達成まであと勝利ふたつというところまで迫ってきた。 理想的な状態で決勝トーナメントを迎えるが、不安がないわけではない。そのひとつが、ケガ人である。 北朝鮮との初戦、タイとの2戦目に先発したFW鈴木武蔵が右足付け根付近に違和感を訴え、タイ戦翌日は別メニューでの調整となった。「少し疲れが出ているだけ」と語っていたが、サウジアラビア戦前日の練習には参加せず、サウジアラビア戦も欠場した。 タイ戦では裏への抜け出しから豪快なゴールを奪い、パートナーの久保裕也との息も合ってきただけに、このストライカーが間に合うか否かで、前線の組み合わせはもちろん、ゲームプランも変えざるを得なくなる。例えば、鈴木の代わりに浅野拓磨を先発させるとなると、「ジョーカーとしての浅野」を失ってしまうことになるからだ。 イラン戦への出場が危ぶまれているのは鈴木だけではない。鈴木と同じく1、2戦目に先発した右サイドバックの室屋成も左足を打撲し、別メニューが続いた。「思ったより腫れていない。大丈夫だと思う」と語っていたが、欠場したサウジアラビア戦後、少し足をかばう感じで取材エリアを通り過ぎていったのが気になった。 そのサウジアラビア戦では松原健を先発させたが、松原は4月に右外側半月板を手術し、10月末に実戦復帰したばかり。第3戦での出場に照準を合わせてきたが、「最後ちょっと、(痛みが)気になったので代えてもらいました」と途中交代している。その後、左サイドバックで出場することの多い亀川諒史が出場したが、クロスをミスするなど不慣れなところを覗かせてしまった。 メンバー唯一の大学生で(明治大3年)、J1クラブの争奪戦が始まっているという室屋がイラン戦でも出られないとすれば、代わりがいないという点で、鈴木以上にチームにとって痛手と言える。