一流企業勤務の彼が「華道の師範」に転身した納得の理由 「リスキリング」を考えている人に教えたい選択のコツ
AIをはじめとするデジタル技術の発展に伴い、ビジネスモデルやサービスのあり方が変化してきた現在。サイエンス作家でもある理学博士の竹内薫氏は、この大きな環境の変化に対応するためには「思考センス」を磨く必要があると言います。とくにAIの新たな可能性に期待する同氏が、AIを駆使した新しいリスキリングの形について解説します。 ※本稿は竹内薫氏の新著『東大卒エリートの広く深い学び方』から一部抜粋・再構成したものです。
■もはや「後追い」のリスキリングでは生き残れない 「新たにこれを学べば次の仕事に生かせる」 「これを学んでおけば失業しないだろう」 リスキリングと聞けば、そのような考え方をしている人たちが多いと感じます。 たとえば、プログラミングはリスキリングでイメージされる代表的なものでしょう。 プログラミングを学んでおかないと時代に取り残されると考えて、プログラミングの基礎から学ぼうとする人がいます。 こうしたいわば「後追い」のリスキリングでは、これからの時代に生き残るのは難しいということに気づいてほしいのです。
いまや、プログラミングができる人は星の数ほど存在しています。さらに、いまはAIがプログラミングを生成してくれるような時代です。そこにいまから後追いで参入しても成功を手にするのは難しいといえます。 私は、このことを10年も前から述べてきました。むしろ、新たな考え方でリスキリングしていくことが大切なのです。これからの時代に必要となるリスキリングは、「自分の得意分野の知識とスキルを磨いていくこと」だと私は考えています。
「この専門分野だったらAIにも負けない」という、いわばオタク的な知識やスキルに磨きをかけていくこと、それこそがこれからの時代を生き抜くリスキリングになると思うのです。 プログラミングについても同じことがいえます。 「コンピュータが好きで好きでたまらない」 そんな人であれば、ハイスペックなコンピュータとAIを駆使しながらプログラミングを追求していくことが、リスキリングになるでしょう。 そうではなく、「プログラミングがいまの時代に必要なスキル」と世間でいわれているから仕方がなく学ぼうとしているのなら、やめたほうがいいというのが私の意見です。