指名漏れ清原正吾に「どうしてもっと早く」 4安打に慶大指揮官は苦笑…遅すぎた“開花”
大舞台での強さは「父親のDNA」、これまでの低迷は「観客が少なかったから」
堀井監督は「清原本人は多くを語りませんが、彼はこの3週間、相手の分析と自分の打撃の修正をかなり重ねてきましたよ」と称える。試合前の段階で今季打率は.200と低迷していたが、4打数4安打で一気に.265に跳ね上がった。 2万6000人の観客が詰めかけた伝統の早慶戦の舞台で、大学入学後最大の活躍を演じてみせた清原。大舞台での強さの秘訣を聞かれると、「父親のDNAではないですかね」と通算525本塁打を誇る父・和博氏を引き合いに出して笑わせた。堀井監督が試合中に「どうして(ドラフトの前に)もっと早く打たなかったんだ?」と冗談めかして話しかけると、清原は「(今までは)観客が少なかったからですかね」とおどけたという。 中学時代はバレーボール部、高校時代はアメリカンフットボール部に所属し、野球から離れていただけに、慶大進学と同時に硬式野球を始めた時点でのハンデは大きかった。そこからの清原の成長スピードは驚異的だ。 今後の進路の表明は、今季全日程終了後になりそうだが、底知れぬ潜在能力をまたもや垣間見せた。もちろん決断するのは本人だが、仮にプロ入りの夢をここで諦めてしまうのであれば、もったいない気がする。そう思わずにはいられない活躍ぶりだった。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki