50歳代「貯蓄2000~3000万円」でも危機感を! 65歳以上の無職夫婦世帯が「月4万円」近くの赤字
【60歳代の夫婦世帯】平均貯蓄額はいくら?中央値との差は約1300万円に
同じく、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認しましょう(※金融資産を保有していない世帯を含む)。 ●【60歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額と中央値 ・平均:2026万円 ・中央値:700万円 上記を見ると、60歳代の平均貯蓄額は以前「老後2000万円問題」で話題となった2000万円を超えています。 しかし、平均は一部の富裕層に影響されるため、より実態に近い中央値をみると約1300万円も下がり、700万円となっています。 金額ごとに見ると貯蓄ゼロが約2割の一方で、3000万円以上も同じく約2割。50代よりもやや3000万円以上の割合が多いものの、依然貯蓄格差が大きい様子がわかります。
【厚生年金と国民年金】男女別・平均受給月額はいくら?
次に、シニア生活の収入の柱とも言える公的年金について確認しましょう。 ●国民年金(老齢基礎年金)の平均受給月額 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ●厚生年金の平均受給月額 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台となりました。 しかし、実際には年金の加入状況により、将来受け取る受給額が異なります。 とくに厚生年金は収入に応じた保険料を支払うため、男女比が生じています。ライフイベントによって働き方が左右されることの多い女性は、男性に比べて平均月額が約6万円も低くなっています。 次の章からは、2024年度の最新の年金額例や、60歳代の国民年金・厚生年金の平均月額をチェックします。
【2024年度】最新の年金収入モデル:夫婦で「23万483円」
年金額は毎年度改定されます。厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。 ●2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額 ・国民年金(満額):6万8000円(+1750円) ・厚生年金※:23万483円(+6001円) ※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。 厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。例示されているのが夫婦での年金額であることに注意する必要があるでしょう。