なぞると触感が変わるインパネ 太陽誘電がCESに出展
指でなぞると細かな振動によって触感が変化する車載向けタッチパネルの作例を、電子部品大手の太陽誘電が米ラスベガスの家電・IT展示会「CES 2025」に出展した。目で見なくても操作が成功したかどうかがわかり、インストルメントパネルに採用すればドライバーが正面から注意をそらさずに済む効果が期待できる。 【関連写真】太陽誘電のCESブース 圧電素子に電圧を加え振動させる逆圧電効果を生かした、触覚技術(ハプティクス)の見本として用意した。 太陽誘電はCESを通じ北米でコンデンサーやインダクターを含む車載向け部品の拡販を狙うが、「動くもの、触れるものが展示会では一番興味を引く」(同社)との考えから、こうしたアクチュエーターを生かした動態展示にも力を入れる。 会場で展示品に触れてみると、既存のスマートフォンやゲームのコントローラーで操作に応じ振動などが発生するフォースフィードバックに比べずっと細やかで、震えというより表面の波立ち、ざらつきに近い印象を受けた。 北米、日本を含むアジア、欧州の自動車メーカーが興味を示し「CESに出展したかいがあった」(同社)としている。ドライバーの安全確保の面で関心を抱いた企業が多かったという。 逆圧電効果による振動を音に出すことに応用した圧電スピーカーも披露した。電磁式に比べ低消費電力なのが特徴だ。今回はブロック状の圧電素子を複数個積み上げエキサイターと呼ぶ部品を試作。机や窓ガラスなどに取り付けて無指向のスピーカーとして使えるようにした。太陽誘電が用途を調査するため、会場を訪れる人から感想を聞き取ったところ「これは何だ」と驚いた反応が最も多かったという。同社は民生向けの広がりを期待する。
電波新聞社報道本部