「アメとムチみたいな感じでした」相次ぐ特殊詐欺 800万円をだまし取られた被害男性が語る 心理を操る「巧妙な手口」
宮崎県内で多くの被害が出ている特殊詐欺。実際に800万円をだまし取られる被害に遭った宮崎市の男性がMRTのインタビュー取材に応じてくれました。 なぜ、だまされてしまうのか、相手の心理を操る巧妙な手口が見えてきました。 【写真を見る】「アメとムチみたいな感じでした」相次ぐ特殊詐欺 800万円をだまし取られた被害男性が語る 心理を操る「巧妙な手口」 ■「東京の病院で健康保険証の使用履歴があります」 (被害に遭った男性)「もう怒りですよね」 こう話すのは、宮崎市に住む30代の男性。 去年12月、突然、非通知の番号で厚生労働省の職員を名乗る女から電話がかかってきたと話します。 (厚生労働省の職員を名乗る女) 「東京の病院で健康保険証の使用履歴があります。覚えがなければ、それは悪用されています」 (被害に遭った男性) 「『そのまま被害届を出しますので、(警察に)このまま電話をおつなぎになるか、ご自分で電話をしていただくか、どっちにしますか』と言われて、僕はそのままつないでくださいと言いまして、その時点でアリ地獄みたいなやつに引っかかってしまったんですよね」 ■仲間なんだみたいな感じで言ってくれて、だんだんはまっていきました そして、警察官を名乗る男が登場すると、SNSでのやりとりを促されたほか、「あなたの口座が犯罪に使われ、関与を疑っている」と言われました。 男性がLINEのテレビ電話でやりとりした際、相手の画像を保存していました。 (被害に遭った男性)「これですね」 (記者)「それ(警察)っぽい髪型とか」 男性は周りに人がいない車の中でやりとりを続け、テレビ電話で相手の姿が見えたこと、そして、不安感や安心感を巧みに利用されたことで信用してしまったと話します。 (被害に遭った男性) 「アメとムチみたいな感じでした。冷静になってみれば、LINEとか使うわけはないなと思うんですけど、ちょっと威圧的な態度に臆してしまって。でも、半ば自分の無罪を証明するためだと言って、向こうは安心させて、心配する自分も心を落ち着かせようとして、仲間なんだみたいな感じで言ってくれて、僕はだんだんはまっていきました」