ADASの進化

ところで、マイナーチェンジ版のシビックは安全運転支援システム（ADAS）の面でも大きな進化を果たしたという。具体的には、カメラセンサーのハードウェアはそのままに、ソフトウェアに手を加えることで実質的な解像度を改善。結果、より遠くの車両の動きまで検知できるようになり、アダプティブクルーズコントロールの動作がさらにスムーズになったという。 実際試してみると、以前だったら渋滞で停車している前方の車両にもっと近づいてから比較的強い制動力で減速していたのが、より遠くから徐々にスピードを落とす丁寧なドライビングに生まれ変わっていた。これはシビックに限らずどんなメーカーのアダプティブクルーズコントロールでも多かれ少なかれ起きていた現象だが、新型シビックでは「えー、このまま行ったら追突しちゃうんじゃないの？」という心配が解消され、より安心してステアリングを握っていられるようになった。もともとスムーズな動作では定評のあったホンダのアダプティブクルーズコントロールだが、“遠目が効く”という意味でも世界トップクラスの性能を得たように思う。 実際試してみると、以前だったら渋滞で停車している前方の車両にもっと近づいてから比較的強い制動力で減速していたのが、より遠くから徐々にスピードを落とす丁寧なドライビングに生まれ変わっていた。これはシビックに限らずどんなメーカーのアダプティブクルーズコントロールでも多かれ少なかれ起きていた現象だが、新型シビックでは「えー、このまま行ったら追突しちゃうんじゃないの？」という心配が解消され、より安心してステアリングを握っていられるようになった。もともとスムーズな動作では定評のあったホンダのアダプティブクルーズコントロールだが、“遠目が効く”という意味でも世界トップクラスの性能を得たように思う。 さらに嬉しいのは、渋滞中に隣の車線から割り込まれてきたときの動作で、従来であればドライバーが自分でブレーキをかけるしかなかった状況にも、アダプティブクルーズコントロールがしっかりと反応して減速してくれるのは、ウレシイを通り越して驚きでさえあった。率直にいって、ここまで的確に割り込み車両に対応してくれるADASは、私史上、初めてのことだった。 なぜ、人間の目で見れば簡単に気づく、割り込みにADASが対応できなかったのか？ と、いえば、それだけ幅広い視野をカメラセンサーがカバーしきれなかったからだろう。その点でいえば、新型シビックのADASは、遠目が効くようになっただけでなく視野角も格段に広がったように思える。 デビュー当時から完成度が高かったシビックe:HEVだが、今回のマイナーチェンジでさらにその商品力は高まった。ベースグレードのLXで400万円弱、上級グレードのEXで430万円強という値段は決して安くないけれど、それだけの価値と実力を備えた世界トップクラスのCセグメントといって間違いないだろう。