公立中→高校受験の「黄金」ルートに向け、小学校高学年は「自立学習」を身につける時期
「自立学習」の3ステップ
自立学習は3つのステップに分けられます。小学生時代は、その基盤を形成する重要な期間です。 ステップ1:「継続力」 最初の一歩は継続力です。たとえば、算数ドリルを毎日2ページ進める、または英単語を1日10個暗記するといった、継続的な取り組みを確立することです。親の監督なしで、自分の力でこれを継続することができれば、ステップ1はOK。子どもが取り組みやすい問題集や、通信講座を活用することで、この段階をしっかりと支えましょう。 ステップ2:「問題解決力」 続くステップは「問題解決力」です。覚えられない英単語を繰り返し書き取る、意味がつかめない語彙(ごい)を辞書を引いて調べる。また、未知の問題に直面したときに、ああでもない、こうでもないと思考をめぐらす、疑問を先生に聞く―― “受け身の学び”から、“本格的で能動的な学び”へとシフトするステージです。 ステップ3:「計画設計力」 最終段階として立ちはだかるのは、「計画設計力」です。たとえば、2週間後に迫った定期テスト範囲から逆算して、自らの学習戦略や時間配分を考える能力のことを指します。 このステージでは、試験日や勉強すべき範囲を見据え、効率的な学習プランを立て、その通りに実行することが重要となります。子どもによってはなかなかハードルが高いステップですが、この力がつけば、目の前の障壁だけでなく、遠くの山頂にも自分の足で到達する力がつくでしょう。
まずは小学生のうちに「継続力」をつける
「うちの子には無理!」という親御さんの声が聞こえてきそうですが、焦らなくても大丈夫。まず、全ての小学生が身につけてほしいのは、ステップ1の「継続力」です。 毎日、決められた分量のドリルを解いたり、単語や漢字を暗記したりする。これができるようになることが、自立学習への第一歩です。 「戦略的高校受験」では、小学生のうちにステップ2の「問題解決力」まで身につけることを目標とします。なぜなら、小学生でステップ2までを習得すると、高校受験では早期からの塾通いが不要になるからです。ここまでを身につければ、高校受験対策としては、通信講座などの補助教材との併用で中学2年生までは乗り切ることができるでしょう。 ステップ3の「計画設計力」は、中学校に入ってから、定期テスト勉強で本格的に磨かれていく力です。しかし、小学生の段階でも、英検や漢検、算数検定などの検定試験に取り組むことで、具体的な目標に沿った学習計画の立案が可能です。 夏休みの宿題の時間などは、学習計画の設計に挑戦する絶好のチャンス。早い段階でステップ3のスキルに取り組むことは、中学の学びにスムーズに移行するための良い練習になります。 「計画設計力」は、子どもに失敗の経験をさせることも大切です。親から見たら実現性に乏しい計画を立てたとしても、まずは見守ってあげましょう。破綻しかけたところで、軌道修正のアドバイスをしてあげればいいのです。
FRaU編集部