2025年の「ドル円相場」見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。
●2025年の日米金融政策は、FRBが3月と9月に利下げし、日銀が1月と7月に利上げ実施とみる。 ●2025年末の10年国債利回りは米国で4.3%、日本で1.4%を予想、利回り格差は縮小方向。 ●ドル円は2025年末に153円で着地を予想するが、トランプ政策次第で変動幅は拡大の見込み。
2025年の日米金融政策は、FRBが3月と9月に利下げし、日銀が1月と7月に利上げ実施とみる
2025年のドル円相場を見通す上で、はじめに日米金融政策の見方を整理します。米国の金融政策について、弊社は米連邦準備制度理事会(FRB)が2025年3月と9月、2026年3月と9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において、半年毎に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)ずつ4回の利下げを行い、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が3.25%~3.50%に達したところで利下げは終了と考えています。 日本の金融政策について、弊社は日銀が2025年1月と7月、2026年1月の金融政策決定会合において、半年毎に25bpずつ3回の利上げを行うと予想しています。無担保コール翌日物金利の誘導目標は、2026年1月時点で中立金利(景気を熱しも冷ましもしない名目金利)のレンジ(1.00%~2.50%程度、日銀などの資料による推計)下限に達するため、その後の利上げペースは年1回程度となり、次の利上げは2027年1月とみています。
2025年末の10年国債利回りは米国で4.3%、日本で1.4%を予想、利回り格差は縮小方向
次に、これら日米の金融政策の見通しを踏まえ、10年国債利回りの動きについて考えます。米国では、次期トランプ政権が拡張気味の財政政策を行う可能性が高く、タームプレミアム(年限に応じた上乗せ金利)の上昇が長期金利を押し上げる展開も想定されます。利下げが半年に1回程度であれば、米国の10年国債利回りは総じて高止まりしやすい状況になると思われ、2025年12月末の着地水準は4.3%とみています。 一方、日本では、賃金の増加や企業の旺盛な設備投資意欲、減税を含む経済対策などにより、国内経済は成長軌道をたどる公算が大きく、また、半年に1回程度の日銀の利上げペースが次第に見通せるようになることで、長期金利に緩やかな上昇圧力が生じると考えています。これらの点を踏まえ、日本の10年国債利回りについて、2025年12月末の着地水準は1.4%と予想しています。
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