「あたたかさ2倍で省エネ」うたうシロカの電気ヒーター、仕組みは? そして実際は? 体験してきた
検証の結果、暖かさは2倍以上!
ぽかエコーは一般的な電気ヒーターと比べて低消費電力で暖かくすることを目指した製品だ。そこで、暖かさを検証するために、ぽかエコーと同じ構造でヒーターを正面に向けた検証用モデルを用意。その2台で、1時間後の温度の上昇値を比較することにした。 検証したのはヒーター正面から30cm離れた部分の9つのポイントの温度変化(温まり方・Δ値)だ。最初に室温を計測したあと、ヒーターを600W、ファンと首振りはオフで動作させ、1時間後に再び温度を計測。両モデルの9カ所の平均温度変化値と、最大/最小値が確認できた(それ以外の数値は非公開)。 その結果、ヒーターが正面を向いた検証用モデルに対して、ぽかエコーは室温からの温度上昇率が最大温度時で約2.4倍、複数のポイントの平均値では約2.8倍、最小値では約3.6倍高くなった。この数値が「あたたかさ2倍」とうたう根拠だ。 「検証では、環境温度からの温度上昇値を利用しています。例えば室温30度が44度になれば温度上昇値は14度です。約1時間後の温度上昇値は検証用モデルが14.4度だったのに対して、ぽかエコーは34.6度でした。同じ600Wでも、2倍以上の温度変化が記録できました」(菅原さん) リフレクト構造では反射する熱がヒーター自体にも当たるため、内部温度が上昇しすぎてしまう欠点がある。この問題に対しては、内部温度をセンシングすることで、過剰な温度上昇を制御。また回路基板の上に断熱材を入れて熱を遮断し、安全性も確保した。ファンを回せばさらに放熱できる仕組みだ。
熱が集中するから速暖性も高い
実際に、ぽかエコーを使ってみた。600Wに設定してスイッチをオンにすると、ゆっくりと反射板にヒーターの光が映り、明るくなっていく。製品の推奨利用距離である、正面から約1mの位置で利用したが、スイッチを入れて数秒で暖かさを感じ始めた。実際、600Wでも暖かさはかなり強く、しっかり暖まる。 同じシロカの電気ヒーターで、2本の遠赤外線ヒーターを搭載した「足元ファンヒーター付き遠赤外線暖房機 にこポカ SH-FC171」(以下、にこポカ、直販価格2万9800円)とも比較してみた。にこポカは、搭載する2本の遠赤外線ヒーターを同時利用することで、消費電力800Wで暖めることができる。 同じ1mの距離で使ってみたが、暖かくなり始める速さ、そして暖房としての強さともに、「ぽかエコー」のほうが上だと感じられた。 ぽかエコーが“2倍暖かい”のは、通常なら広い範囲に拡散してしまう熱を真正面に集めているからだ。このため広い範囲は暖まりにくく、あくまでピンポイントでの使い方となる。ただしファンと左右首振り機能を同時に利用すれば、近い距離なら複数人でも暖まることができる。 最も効果的に暖まれるのは約1mの距離に設置すること。ファンは搭載しているが、あくまで熱を拡散するための機能なので、ファンヒーターのように遠くまで熱風が届くわけではない。またファン機能のオンオフで暖かさに差も出ないそうだ。ファンは本体内部に配置しているため、動作音はほとんど聞き取れなかった。