「馬は一緒に働くビジネスパートナー。お荷物とは言わせたくない」 名馬たちの個性をプロデュースし、引退馬ビジネスに革命を起こすヴェルサイユファームを訪ねて(前編)
若い頃に芽生えたその気持ちが今の仕事につながっている。自分たちができる限り、引退馬が〝行方不明〟にならないように事業として牧場を運営できるシステムを構築しようとヴェルサイユリゾートファームで新たな挑戦を続けてきた。
19年に業界初のクラウドファンディングを行い、20年にヨーロッパ調の新厩舎を建設。21年にビーズソファを製造する大企業のYogiboとネーミングライツ契約を結び、場内に放牧地の馬や猫と交流できるカフェや瀟洒な宿泊施設をオープンさせた。
訪れる人々は馬たちと自由に触れ合い、時にはニンジンを食べさせたり、好きな馬のグッズも購入し、宿泊もできる。さまざまなことを楽しめる牧場は〝観光地〟となった。
崇文さんは「引退しても馬の人生に終わりはないんですよね。現役の子であっても、引退した子であっても、養うためには同じお金がかかる。引退馬は預かってもお金を生み出さないとか、年をとれば医療費もかかるし、生産性がないからお荷物になってしまう、と言わせたくない。だから、どうにかしてこの子たちが自分たちで(運営資金を)生み出して暮らしていけるようにしたいし、それができればもっと引退馬ビジネスに広がりがあるのかなって思います」と言い切る。=後編に続く
◆Yogiboヴェルサイユリゾートファーム
▼所在地 北海道沙流郡日高町庫富739 ▼午前9時~午後3時見学可(木曜定休)
2018年に北海道・日高町で開業。現在の繋養馬はタニノギムレット、ヒルノダムール、ロジユニヴァース、ダンカーク、ノヴェリストなど約40頭。さらに犬4匹と猫2匹も暮らす。YogiboのCMで話題となったアドマイヤジャパンは離乳した本場ヴェルサイユファームが生産した離乳後の当歳馬や1歳馬の群れを統率するリードホースとしても活躍中だ。見学者は引退名馬をはじめ集団放牧される馬たちを自由に見学でき、放牧地内の宿泊施設に泊まれば、シーズンによって昼夜放牧の様子も楽しむことができる。永眠した馬にはブロードアピール、ゴールドティアラなどがいる。
公式サイト https://www.versailles-resort.com/
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