2013年 横浜DeNA ”あの内紛事件”の真相
球団は、10項目以上のコーチの評価基準を作って各コーチに説明、理解を求めた。例えば、球団の方針を理解しているのか、選手を惑わせるような指導をしていないのか、コミュニケーションはうまく取れているのか、などの基準があり、高田GMとフロントがチェック。その基準から逸脱しているようならば修正をかけ、指導体制に効率性と継続性が生まれ《ぶれ》が発生しないように組織をひとつにまとめていきたいという。 ■悪しき風習を撤廃 新しい風を 特にドラフトから2軍につながる育成部門をチームの将来を担う部署だと重要視。ファームを育成部という名称に変えて、その運営方法にもメスを入れた。 「コーチも育てていきます。そのためにコーチのためのコーチも必要で、そういう研修会も他業界から指導者を呼んで行います。若いコーチが増えましたが、彼らが優秀な指導者に育ってくれることが、長期的な選手育成、チームの強化に必要なことなのです」 横浜DeNAは、野球界に居残っている“悪しき風習”のようなものに疑問を抱き、そこに新しい風を吹き込もうとしている。 ■喫煙による解雇の内情とは 選手への全員禁煙も、そのひとつだ。ただ、ドラフトで入ってくる選手には、全員禁煙を義務づけたが、横浜DeNAが買収する以前から喫煙していた選手やスタッフに関しては「人前や子供の前では吸わない」などというルールを作った。今オフに2軍のコンディショニングトレーナーを、喫煙を理由に解雇したとも報道されたが、「スタッフとしての評価をした結果、業務委託契約の終了を決めました。その人が、たまたまタバコを吸っていたということだけで、能力を評価できる人ならば、契約を終了する前に『禁煙できませんか』というような話をしていますよ」と、池田社長は内情を明らかにした。 ファンには見えない部分で、画期的とも言える改革を少しずつ断行しているが、その一方で池田社長は、悩みも抱えている。 「ビジネス的な考えを野球界のオリジナルに変換すればどうなるのかを試行錯誤している段階です。今は理解をしてもらっている途中です。一気にやるとハレーションが起きます。不必要なハレーションが起きるならば、それはまだやらない方がいいですから」