機械パーツのみで発電⁉ 独自素材と独自機構を採用したサブマーシブルの新作ウオッチが登場
蓄えたエネルギーは、パワーリザーブとインデックスを含む文字盤上の様々なインジケーターを照らすために消費される。針などの稼働する照明とベゼルマーカーの照明は、高い耐水性を維持しながら、ベゼルの外側に電気を伝導させたり、電力の経路変更だけでなく、機械によって生成されるエネルギーの最適化についても考慮することで実現した。また、磁気ドライブのおかげで、スマート照明が可能となり、リングに内蔵された合計60個のLEDのうち、ドットの下に配置された15個だけを点灯させることができる。
もう1つの成果は、このメカニズムの持続時間を延長することができる点だ。4つの専用バレルによってパワーライト機能が持続され、残り2つのバレルを使用して、72時間にわたるパワーリーザーブの精度を確保する。ちなみにパワーライトのエネルギーを使い切っても、パワーリザーブは維持されるというから驚きだ。 文字盤に配されたパワーライトリザーブは、水平のインジケーターで表示。特許出願中のベゼルライトシステムによって回転ベゼルを照らす。時針には、暗闇で180時間経った後の発光がスーパールミノバ®X1よりも10%優れるグリーンのスーパールミノバ®X2を塗布。分針とベゼルのドットには、ブルーのアクセントがあしらわれており、敢えてスーパールミノバ®X1が塗布されていることで、パワーライトが切れても、暗闇で時刻を確認することができる。
「サブマーシブル Elux LAB-ID」に使用されているケースは、パネライが特許出願中のセラミック化チタンを用いたTi-Ceramitech™を採用。7年間の研究開発によりセラミック化プロセスの特許を申請し、独特なブルーを生み出した。このプロセスにより、チタン合金の表面が緻密なセラミック層に変化し、使用する元素の選択と電解質組成の組み合わせにより、海という解放的な空間からインスピレーションを得た独特のブルーを生み出すことに成功。Ti-Ceramitech™は、スチールよりも44%軽量で、従来のセラミックよりも10倍高い破壊靭性を備えている。 独自の発光技術に新素材ケースを組み合わせた「サブマーシブル Elux LAB-ID」は、150本(1年50本製造)の限定生産となるため、争奪戦必至になること間違いなしの1本といえる。
パネライ「サブマーシブル Elux LAB-ID」
Ref.PAM01800 1689万6000円 スペック:自動巻き(Cal.P.9010/ELキャリバー)、毎時2万8800振動、72時間パワーリザーブ。ブルーTi-Ceramitech™ケース、ラバーストラップ(バイマテリアルストラップも付属)。サファイアクリスタル風防。直径49mm。50気圧防水。150本限定(1年間に50本製造)。 ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/平野翔太(WN編集部)