【パリ・パラ】 競泳の木村敬一が2大会連続の金メダル 窪田幸太は初メダルの銀
パリ・パラリンピックは競技3日目の8月31日、競泳の男子50メートル自由形(視覚障害S11)で木村敬一が金メダルを獲得した。5大会連続出場の木村にとっては通算9個目のメダルとなった。男子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S8)では窪田幸太が銀メダルを勝ち取った。 ■木村は2大会連続の金メダル 木村が金メダルを獲得したのは、3年前の東京大会の100メートルバタフライ(視覚障害S11)に次いで2回目。 この日の決勝は、各選手が横並びで激しく競り合う展開となった。木村は終盤まで力強い泳ぎを続け、他の選手よりわずかに早くフィニッシュした。タイムは25秒98で、自身がもつ日本記録を0秒07更新した。 2位には中国の華棟棟とブラジルのウェンデル・ベラルミノ・ペレイラが26秒11の同タイムで入り、そろって銀メダルを獲得した。 レース後のインタビューで木村は、「バタフライをメインでやってきましたけれど、その取り組みがしっかりと自由形でも生かせることができ、この最高の観客の前で泳げたことがすごく幸せで、いろんな要素が重なってこの記録になったと思うし、この順位になったかと思います」と述べた。 そして、「すべてがはまらないとベストはなかなか出ないところまできていたと思うんですけど、ウォーミングアップの時点から最後のゴールタッチまで完璧にいったかなと思います」と話した。 所属する東京ガスのウェブサイトによると、木村は2歳の時に病気で視力を失い、小学4年生のときに水泳を始めた。2012年ロンドン大会で銀と銅1個ずつ、2016年リオデジャネイロ大会では銀と銅2個ずつメダルを獲得。2018年から単身アメリカに拠点を移し、東京大会では悲願の金メダルを含む2個のメダルを勝ち取った。 木村は今大会、100メートルバタフライにも2連覇をかけて出場を予定している。 ■窪田は初のメダル獲得 窪田はパラリンピック2大会連続出場で、東京大会では今回と同じ男子100メートル背泳ぎで5位だった。 この日の決勝では、スタート直後からトップ争いを繰り広げた。折り返しの50メートルは2番手でターン。後半も粘り強い泳ぎを続け、先頭の選手はとらえられなかったものの、2位を保ってフィニッシュした。タイムは1分7秒03だった。 金メダルはスペインのイニゴ・リョピス・サンス、銅メダルはイスラエルのマルク・マリアルが手にした。 競技後のインタビューで窪田は、「思っていたよりもタイムがあまりよくなかったですし、ベストを出していれば(金メダルを)取れていたので、そういった意味ではちょっと悔しい結果になってしまったなと思います」と話した。 レース内容については、「スペインの選手は後半型というのは去年の世界選手権で分かっていて、75(メートル)から自分は上げたつもりだったんですけど、最後届かなかったという感じです」と振り返った。 所属するNTTファイナンスのウェイブサイトによると、窪田は生まれたときから左腕を上げることができなかった。生後6カ月でスイミングスクールのベビークラスで水泳を始め、小学5年生のころに競泳を開始。学生時代から日本代表に選出された。 窪田にとっては、この日の銀メダルがパラリンピック初のメダルとなった。 (英語関連記事 Paris Paralympics 2024 medal results)
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