あまりに突然だった退任発表 クロップの告白に英国内でも衝撃広まる「今日はファンを傷つける」「理解するのが難しい」
突然の発表に世界も驚いた。 現地時間1月26日、プレミアリーグの名門リバプールを率いるユルゲン・クロップ監督が、今季限りでの退任を表明した。26年6月までの契約を残すなかでの決断であった。 【動画】クロップが「本当に必要だった」と熱弁! 遠藤航との笑顔の初対面シーン 「なんと言えばいいだろうか……。そうだな、エネルギーがなくなってきたんだ」 どこか渋い表情でそう語ったクロップは、退任理由をそう明かした。レッズ(リバプールの愛称)で数多の名シーンを彩ってきた56歳の指揮官は心身ともに限界を迎えていた。 クロップがリバプールにやってきたのは、2015の夏。7シーズンを率いたドルトムント退任からわずか約3か月後に指揮官に就任した。 彼の手腕は抜群だった。当時過渡期にあった名門を瞬く間に立て直した稀代のモチベーターは、2019-20シーズンには、クラブにとって30年ぶりとなるトップリーグ制覇を達成。さらに2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ制覇など6つの主要タイトルを獲得し、欧州サッカー界で一時代を築いてきた。 間違いなくリバプールの黄金期を作り出したクロップ。そんなレジェンド指揮官が自らの口で語った退任発表は、現地、とりわけリバプールをこよなく愛する識者たちの間で大きな余波を広げた。 リバプールの専門ポッドキャスト番組『The Late Challenge Podcast』のホストを務めているガレス・ロバーツ記者は、自身のX(旧ツイッター)で「本当にがっかりしている。今シーズンのここまでの出来を見れば、クロップが退団する可能性はないと思っていた」と正直に明かし、「今? ショックだよ。彼は本当に代えがたい仕事をしてくれたからね。ついていけない感じだ。理解するのが難しい」と胸の内を明かした。 また、リバプール以外の英国内でもドイツ人熱血漢の決断は大々的に報じられている。英公共放送『BBC』も「彼はそのエネルギーをリバプールとアンフィールドの観衆に注ぎ、多くの人々を熱狂の海に連れて行った」とし、こうメッセージを綴っている。 「クロップはいかなる時も全力を尽くしていた。そんな彼に率いられたチームは、そのイメージでプレーし、スタンドも常に熱く呼応していた。パワーの源は常にクロップだった。おそらく彼はその意義を否定するだろうが、今日という日はファンを傷つけるだろう。 現実的に考えて、リバプールはこれからすべてが変わる。クロップは疑心暗鬼だった人々を信じる者に変えた。もう一度、誰かがファンをその段階に担ぎ上げなければいけない。彼の遺産はトロフィールーム、街の壁、そして最も重要なのはファンの心の中に現れている」 退任を決断したリバプールの公式動画内で「このクラブ、この街を本当に愛している」と語ったクロップ。クラブだけでなく、欧州サッカー界に大きな影響力をもたらしたドイツ人指揮官は、残り約3か月のシーズンで有終の美を飾れるだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]