「東京を経営する」都知事に期待したい ワタミ中国・深圳に再出店!!
【経営者目線】 東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に現職の小池百合子知事は出馬の意向を明言していないが、選挙を前に「私立も含めた高校の授業料無償化」を打ち出すなど、人気取りがうまいと感じる。前回の都知事選はコロナ禍で政策論争が実質されていない。 前東京都知事の舛添要一さんとニッポン放送の番組で意見交換した。2016年に小池さんが掲げた「満員電車ゼロなどの、7つのゼロの公約」が実現されていない件について「彼女はそんなの8年前の話でしょと全く批判を気にしないだろう」と舛添さんはいっていた。 私が11年の都知事選に出馬した際には『東京を経営する』という公約本を出版した。参院議員を退任するときも「財政再建、脱原発、掲げた公約が全く実現できなかった」と記者会見した。やはり政治家は選挙で約束した公約とその結果に向き合うべきだ。 野党系候補が実現不可能な公約をならべることも無責任だ。選挙に勝つための、目先の大衆迎合政策は、結局、財政を悪化させるだけだ。 番組の企画で、もし都知事になったら実現したい「東京改革案」を問われた。私は11年の都知事選の時に掲げた「東京の高校生の10人に1人を税金で留学させる制度」を改めて提言した。円安で若者はますます、海外を目指さない。戦略的に世界人材を育成することで、東京と日本の未来は大きく変わる。これはバラマキでなく未来投資だ。大衆迎合なら、高校生全員の授業料を無料とするほうが、親からの票がとれるだろう。大事なことは、限られた税金の費用対効果だ。 さらにもうひとつは、アジアナンバーワンの経済特区の実現だ。先日、金融・資産運用特区として北海道、大阪、東京、福岡が対象に選ばれたが、内容を見ると甘い。意識すべきはシンガポールだ。税制や規制でシンガポールより魅力的な制度を作ってこそ、はじめて世界中の企業、投資家が集まってくる。国はいずれ財政破綻するだろう。だからこそ、東京を経営する視点で、今改革モデルを作ることに大きな意味がある。 少なくとも都知事選で、国政の代理戦争が行われるのは残念だ。首相は直接選べなくても都知事は都民が直接選べる。迎合ではなく信念の政策で、聴衆を魅了する候補者に出てきてほしい。