2日からU-18アジア大会!岡本和真、奥川恭伸、前田悠伍など“忘れられない活躍”を見せた5人のヒーローたち!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.35』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です! 9月2日から「第13回 BFA U18アジア選手権」が台湾で開幕します。24日から始まった国内合宿から大学代表との壮行試合まで取材をしてきました。 【動画】U18日本代表の選手たちはプロ志望届?それとも進学?プロでの完成予想図も考察 この大会の見どころは2つ。まずは、世界一、アジア制覇をどう狙っていくのか、戦略的な分析をすること。2つ目はどの選手が主役になるのか?という視点でみるのも面白いかなと思っています。私は2014年から10以上現地取材したり、代表チームの国内合宿を追ったりしていますが、その中で忘れられない活躍を見せた選手たちを紹介します。
やはり別格だった岡本和真、アジア大会でドラ1評価になった堀瑞輝
◼2014年 岡本和真(智辯学園-巨人) タイで開催された第10回 BFA 18Uアジア選手権に出場した岡本選手。打撃練習などを見て、別格だと思いました。フリー打撃では軽々とスタンドイン。大会前の大学生相手との練習試合でも長打性の打球を飛ばしており、1人だけ大学生がいるような感覚でした。大会では19打数9安打、5打点の活躍で準優勝に貢献しました。この大会で評価を上げた岡本選手は巨人からドラフト1位指名を受けました。岡本選手を見た翌年から、「岡本以上のスラッガーはいるのか」を見つけるのが高校日本代表の野手をチェックするテーマとなっています。個人的には、22年の浅野翔吾外野手(高松商-巨人)、24年の石塚 裕惺内野手(花咲徳栄)はそれに近い選手かなと思っています。 ◼2015年 佐藤世那(仙台育英-オリックス) この年は日本の大阪で世界大会が開催された大会でした。主役となったのは佐藤投手です。仙台育英のエースとして甲子園準優勝に貢献しましたが、U-18代表となってもエースとして活躍しました。予選ラウンドで宿敵・アメリカと対戦。佐藤投手は140キロ前半の速球と鋭く落ちるフォークを武器に次々と三振を奪い、9奪三振完封勝利。完封の瞬間、スタンドは大きく盛り上がりました。今までU-18代表はアメリカに負け続ける試合しか見たことがなかったので、完封した瞬間を現地で見られたことはとても興奮したことを覚えています。 この大会では3試合に登板して、22回を投げて、28奪三振、防御率0.82の好投。惜しくも準優勝に終わりましたが、日本のエースとして限りなく輝いていました。 ◼2016年 堀 瑞輝(広島新庄-日本ハム) 堀投手はU-18代表で野球人生を変えた投手かなと思っています。夏の甲子園ではベスト16入り。出どころが見にくいフォームから繰り出す140キロ前半の速球が光る左腕でした。当時の高校生投手は藤平尚真投手(横浜-楽天)、寺島成輝投手(履正社-ヤクルト)、高橋昂也投手(花咲徳栄-広島)、今井達也投手(作新学院-西武)が高校生BIG4と騒がれていて、堀投手は次のグループに入る投手でした。大会に入ると最も良い投球をしていたのが堀投手でした。開催国だった台湾相手には予選ラウンドで対決して4.2回を投げて7奪三振、無失点。そしてスーパーラウンドで韓国と対戦して1回、三者三振の完璧リリーフ。困ったら堀というぐらい信頼をされていました。 そして決勝の台湾戦でも4回8奪三振の快投でアジア優勝に貢献しました。堀投手はメキメキと成長し、甲子園までの最速は144キロでしたが、この大会で148キロ。そしてドラフト前の国体では150キロを計測しました。アジア大会での活躍が評価され、11球団から調査書が届きました。日本ハムからドラフト1位指名を受け、通算221試合、37勝70ホールドを記録しています。ドラフトを追っていて、U-18代表の活躍でここまで評価を変えた選手は堀投手ぐらいかなと思っています。