2023年の新設「老人福祉・介護」法人は3,203社 5年連続増も新旧競合が激化、 経営効率化がカギ
新設法人数は5年連続で増加
2023年の新設介護法人数は、3,203社(前年比6.1%増)だった。一方、市場から退出した倒産は122社(同14.6%減)、休廃業・解散は510社(同3.0%増)で、伸び率は新設介護法人が上回った。単純計算の純増数(新設法人から倒産と休廃業・解散の合計を引いた数)は2,571社で、過去10年では2014年3,340社、2015年2,729社に次いで3番目に多かった。 2023年は新設介護法人数の伸びが寄与したが、2024年1-5月の介護事業者の倒産は過去最多の72社に達し、増勢を強めている。人手不足や物価高などの事業環境の悪化などで休廃業・解散が増えたことも影響したとみられる。倒産が増えている状況から、2024年は新設法人数の伸び次第で、純増数が落ち込む可能性も出てきた。
都道府県別 新設介護法人数は大阪府が最多、増加率トップは山梨県
新設介護法人の地区別は、最多は近畿の915社(構成比28.5%)で、関東の892社(同27.8%)を上回り、2年ぶりにトップへ返り咲いた。次いで、九州の451社(同14.0%)が続く。 都道府県別は、最多が大阪府の562社(構成比17.5%、前年比8.7%増)。次いで、東京都の279社(同8.7%、同9.4%増)、愛知県の207社(同6.4%、同5.0%減)、福岡県の174社(同5.4%、同1.1%減)、兵庫県の173社(同5.4%、同16.1%増)と、上位は人口の多い都市部に偏った。 一方、最も新設法人数が少なかったのは山形県の4社(同0.1%、同42.8%減)だった。 増加率は、山梨県が前年比266.6%増でトップ。次いで、山口県の同122.2%増、島根県の同100.0%増の順。減少率は、最大が福井県の同57.1%減。山形県の同42.8%減、栃木県の同32.4%減と続く。新設介護法人の減少は、将来の介護サービスへの影響が危惧される。