異例の自己解説…なぜロッテ鳥谷敬は5か月ぶり”実戦デビュー”で安打&好守で存在感を示すことができたのか?
球団は、鳥谷の緊急獲得の理由のひとつに若手への生きた教材としての波及効果を挙げた。今岡2軍監督は、すでに「間違いなく化学反応は起きている」と断言した。 「試合は、たった3時間だが、朝、球場に来たところから、ユニホームを着ている時間以外に、むしろ、いい影響がある。色々と、ロッカーで話を聞いたり若手が好奇心旺盛な目をしている」 現在、ホテル暮らしの鳥谷は、「甲子園と違って自宅でトレーニングができないので」とジョギングをしてから球場入りしているという。 さて今後の鳥谷の調整計画だが、今岡2軍監督は、18、19日と続く巨人との残り2試合は、続けて3打席、20日からの楽天との3連戦は4打席立つ予定であることを明らかにした。この日の「3番・ショート」も含め、すべて井口監督からの指示があってのことだという。 今後は、三塁、二塁も守る予定だが、ファーストミットを用意した一塁守備の指示は井口監督から現段階では出ていない。 「生ものですから、どうなるかわかりませんが、ここまで(6試合出場)は井口監督が描いている通りです」と今岡2軍監督。この6連戦が、1軍昇格を見極める第一段階の目安ということなのだろう。 鳥谷は「1軍なのか、2軍なのかは自分が決めることではない。開幕に合わせていく立場ではない。ただ、いつそうなってもいいように与えられたものをクリアしていくことしか考えていない」という姿勢を崩さないが、意外と早く1軍昇格の機会は巡ってくるのかもしれない。 鳥谷にひとつ質問した。 これは新しいスタートなのか?と。 「新しいスタートの感覚より、今までやってきたことを継続して、どう野球選手としてやってきたかを見せていきたい。もう一回プレーをみんなに見てもらいたいと思った」 鳥谷は終わってはいない…レジェンドの自負と矜持が見えた。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)