「過去問の点数が伸びない。どうしたらいい?」→中学受験の専門家が教えるテクニックが実践的だった!
● 算、国、理、社… この時期ならではの過去問のやり方 Q4 過去問のやり方について教科別にアドバイスをください。 A4 ◆算数 ・過去問の頻出単元、例えば速さが必ず出題されているのであれば、それを克服する。苦手分野を潰していく時期は、全部の分野が載っている市販の問題集などは出来るだけ買わずに、今持っている教材を有効活用したい。 ・「途中式の書き方が合っているか?」を塾の先生には見てもらいたい。学校のホームページ等に模範解答例があれば、最初はそれを写してみるところから始めても良い。図や表だけを書くのではなく、途中式の説明を言葉で行う必要のある学校が多い。 ・計算が速くできるようになれば、試験問題の後半に出題される「地道に作業すれば答えにたどり着く問題」(場合の数など)まで手が付けられるようになる。入試前日まで、計算練習は怠らない。 ◆国語 ・知識問題の出題を分析し、あまり出題されない分野に時間をかけ過ぎないようにしたい。 特に、文学史や品詞の識別(主語述語や係受けを除く)、書き順などの出題事例は少ない。 ・指示語や接続詞の基本的な内容で失点が多い場合は、塾の4年生のテキストを読み直すことで、再確認できることがある。当時、まだ入塾しておらずテキストが手元にない場合は、塾の先生に相談をしたい。 ・記述問題は部分点がもらえるので、選択肢よりも“お得”だと子どもに刷り込む。この時期からは、「書けば点数になる!」と理解して記述が書けるようになる子どもは多い。 ◆理科 ・社会と比べて計算問題が多い傾向にあり、理科は試験時間に解ききれない可能性がある。計算練習は算数、理科の両方に関わるので、練習を続けたい。また、「理科と社会で合わせて○分」という設定のある学校は、自分なりの時間配分を作ること。 ・理科は社会より学習する単元が少ないので、短期で伸びる可能性がある。苦手分野も最後まで諦めない。 ◆社会 ・問題集の地理公民のデータが古い場合は、内容によっては解かなくて良い。時事問題も同様。過去問の場合は、除外して採点するか、自信を持たせるには加点しても良い。 ・小学校の教科書、歴史資料集、地図帳が三種の神器。常にそばに置いておきたい。 ・漢字指定の問題(漢字で答えないと得点できない問題)を確実に解けるかどうかで、大きく点数が変わる。 最後に、全科目共通で言えるアドバイスとして、「まったく解けなかった過去問を放置しない」こと。 苦手意識を持ったままになりやすいので、しっかりとやり直しをする時間を確保しましょう。また、塾の宿題などとのバランスから、やりっぱなしで解き直していない過去問が溜まっているようなら、他の年度に進まずに、できなかった問題を復習する時間を取ることをおすすめします。「できる」という実感がないままに先に進んでしまうと、頑張る勇気に繋がりません。 ***** 次回は、精神面と体力面からのQ&Aにお答えします。 連載「わが子にとって最強の『中学受験指南術』」をフォローするにはこちらをクリック! 最新記事がメールで届くので、読み逃しがなくなります。
渋田隆之